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Sonett fur Wien   Op.41  
 
ウィーンのソネット  
    

詩: カルトネッカー (Hans Kaltneker,1895-1919) オーストリア
      

曲: コルンゴルト (Erich Wolfgang Korngold,1897-1957) オーストリア→米   歌詞言語: ドイツ語


Du Stadt, du Psalm, aus Gottes Mund erklungen
und Stein geworden, Marmor, Park und Garten,
Gedicht und Lied der liebsten Engelzungen,
die lange deiner gold'nen Kirchen harrten,
drin alle Heil'gen, wunderlich bezwungen
von ihrer hohen Form, zu Glanz erstarrten!

Stadt der Fontänen, altem Stein entsprungen,
barocker Bauten, gnädiger Standarten,
die über hohen Prozessionen schweben!
Di Stadt, darin der Klang vergang'ner Zeiten noch klingt,
darin das alte Gold noch leuchtet,
darin die dunkeln, frommen Bilder leben
und Gottes Auge aus den grünen Weiten der Berge strahlt,
von Wehmut sanft befeuchtet.

わが街よ、詩篇よ、神の口より紡ぎ出され
巌は敷石に、公園に、庭園になっていく
天使の歌う詩そして歌
長い間、教会の屋根に休む天使たちの歌
そこの教会には多くの偉大な聖人たちが
その聖なる力を秘めて眠っているのだ

噴水の街、古き彫刻の街
バロックの建物に、偉大な御旗が、
今もはためいている!
わが街よ そこではまだ鳴り響く 過ぎ去った時代の栄光が
そこでは昔の黄金がなお光り輝く
そこでは暗い、敬虔な絵姿が息づいている
神の目が山の緑の広がりより射しかかり
悲しみを穏やかに濡らす


ミドルネームのWolfgangにあやかってか、若きころはモーツアルトの再来として神童の名を欲しいままにしたコルンゴルトですが、ナチスの迫害を逃れてアメリカに渡り、かの地では映画音楽作家として第2の人生を歩み始めました。ただ、そんな中でもこつこつ書き残した作品の中には、望郷の想いがあふれ出て聴く人を感動させずには置かないものがいくつもあります。これもそんな作品のひとつ、なんと彼の死の年1957年に書かれた最後の歌曲作品です。
詩にしてから、ウィーンの街の美しさを思い切り賛える「わが夢の町ウィーン」のような懐かしさ、ただ曲はワルツではなく、リヒャルト・シュトラウス張りの厚いピアノ伴奏の上に、「O Stadt!」とゆったり堂々と歌われます。この冒頭のメロディが歌にも伴奏にもこだまするように繰り返し繰り返し現れてこの美しい街を回想するのですから印象に残らないはずはありません。彼の歌曲は亡命前の若い頃、シェーンベルクやツェムリンスキーの影響を受けていたと思われるある意味捉え所のない曲が大半を占めるようですので、それらの曲と並べて聴くとひときわ異彩を放っています。
CDは、キムブロウのバリトンにボールドウィンのピアノのコルンゴルト歌曲集(ACANTA)しか手元にはないのですが(これも熱唱でヨイけれども)、エリッヒ・クンツあたりがあの独特のウィーン訛りでやったら味があっていいなという気がします。彼は残していませんでしょうか?(なんかありそうな気もするが)

( 1999.06.27 藤井宏行 )


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