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とんがり帽子    
  鐘の鳴る丘
 
    

詩: 菊田一夫 (Kikuta Kazuo,1908-1973) 日本
      

曲: 古関裕而 (Koseki Yuji,1909-1989) 日本   歌詞言語: 日本語


詩:著作権のため掲載できません。ご了承ください


昭和の日本の大作曲家をひとりあげよといわれたら、私はためらうことなくこの人を挙げると思います。クラシックだの歌謡曲だの懐メロだのいうことはこの際問題ではありません。自分のルーツを、アイディンティティを知る上で(ちょっと大袈裟?)、彼の残した数々の音楽は決して聴き逃すことのできないものばかりです。
悲壮なまでの死に行く決意・悲しみを歌った戦時歌謡や軍歌(「暁に祈る」や「露営の歌」など、逆説的にこれほどの反戦歌はないと思います)、敗戦後の平和への祈りに満ちたような歌(長崎の鐘)があるかと思えば、高校野球のテーマ「ああ栄冠は君に輝く」からモスラの歌まで(確か東京オリンピックのテーマもこの人でしたよね)、昭和史を音楽で綴ったといっても過言ではないでしょう。
さて、標記の歌、からっと晴れたような明るいメロディ、子供の頃は1番の歌詞しか知らなかったので迂闊にも気が付かなかったのですが、これ、よくよく最後まで聴くと戦災孤児の歌なんですよね。数年前に聴いた藍川由美さんのコンサートで、戦時歌謡から長崎の鐘、ひめゆりの塔という流れで来てこのメロディを聴いた時、思わず涙がこぼれてきました。古関裕而の研究で、手書きの自筆伴奏譜まで探し出して調べたという執念の人、藍川さんだから出来る再評価、録音したCDと共に、この歴史を後世に伝える役割を担ってくれればなと思います。
(微力ながら私もこうして紹介することで力添えを。それにしても2年前、CD第2集(軍歌・戦時歌謡)が出る時には大変心配したのですが(ライナーノートもおっかなびっくり書かれていた)、だんだん客観的にあの戦争を見詰め直そうという雰囲気になってきたのは良い傾向です。あとはあの大音声で「暁に祈る」を垂れ流す街宣車さえいなければ、もっとこれらの曲に対する誤解は解けるはず なのですが)

( 1999.04.06 藤井宏行 )


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