Nehled‘te,volečci Zápisník Zmizelého |
見るなよ、牛たちよ 消えた男の日記 |
Nehled‘te,volečci, tesklivo k úvratím, nebojte sa o mne, šak sa vám neztratím ! Stojí černá Zefka v olšině na kraju, temné její oči jiskrú ligotajú. Nebojte sa o mne aj když k ní přikročím, dokážu zdorovat uhrančlivým očím. |
見るなよ、牛たちよ 悲しそうに畑のはずれを そんなに俺を心配するな いなくなったりはしないから! 黒い髪のゼフカが ハンノキの森のはずれにいて その黒い瞳は 炎と燃えているけれど 俺のことは心配するな たとえあいつに近づいたところで 俺は拒むことができるさ あの誘惑の瞳なんか |
前2曲の力強さに比べてこの歌の弱々しさはどうでしょう。まるで牛たちに言い訳をしているかのような。最後「俺のことは心配するな」のところでは感情が高まってきますがやはりどこか頼りなさげです。最後の「očím(瞳)」を吐き捨てるようにいうところは印象的。
この曲が歌われた演奏会というのは残念ながら私はまだ見たことはないのですが、次の曲からしばらく活躍するジプシー娘役のアルト歌手はこの歌の最中に気付かれないようにそっと舞台に登場する、と楽譜にはあるのだそうです。
非常に重箱の隅なのですが、彼はどうしてこの娘の名がゼフカであることをこの時点で知っていたのでしょうか。興味深いのは(深い意味はないのかも知れないですが)このゼフカという名前、この曲と最後の曲にしか出てこないことです。それだけに最後の曲の最後で「ゼフカが」と絶叫するところのインパクトは強いのですが、逆にこの娘の名をゼフカだと頭の中に刷り込んでいないと何だかよく分からなくなる恐れも...
( 2008.10.10 藤井宏行 )