Ta černá cigánka Zápisník Zmizelého |
あの黒髪のジプシー娘が 消えた男の日記 |
Ta černá cigánka kolem sa posmětá. Proč sa tady drží, proč nejde do světa? Byl bych snad veselší, gdyby odjít chtěla; šel bych sa pomodlit hnedkaj do kostela |
あの黒髪のジプシー娘が このあたりを歩きまわっている どうしてここに留まるのだ なぜ遠くへと行かぬのだ? 俺は気持ちが晴れるだろうに もしあいつがどっかへ行ってくれたなら 俺は礼拝に行けるんだろうに すぐにでも教会へと |
チェコ語の響きがたいへんに印象的なこの曲。第一曲以上に感情が昂っています。怒りをぶつけるような冒頭部分はしかしながら後半、「俺は気持ちが晴れるだろうに」のところで急に安らかなメロディとなります。次の曲や第六曲でもそうなのですが、彼女への想いを断ち切ろうとする言葉のところで音楽が穏やかに、優しくなるのは非常に興味深いところ。
彼の心の迷いを実に見事に描写しているのでしょうか。あるいはもしかすると言葉では強く拒んでいても、彼の本心はもう決まっているということなのかも知れません。
「黒髪の」としましたが直訳すると「黒いジプシー」ですので黒い肌のことを言っているのかも知れませんが、ここはやはりエロスの描写として髪にしておきたいところです。
( 2008.10.10 藤井宏行 )