Lastochka Op.54-15 16 Pesni dlja detej |
ツバメ 16の子供のための歌 |
Idet devochka sirotka,tjazhelo vzdykhaet, a nad neju goremychnoj lastochka letaet. I letaet,i shchebechet,nad golovkoj v’etsja, v’etsja,kroshka,i krylami v kosu chut’ ne b’etsja. Chto ty v’esh’sja nado mnoju,nad sirotkoj,ptashka? Akh,ostav’ menja,i tak mne zhit’ na svete tjazhko! Ne ostavlju,ne ostavlju! Budu ja kruzhit’sja, shchebetat’ tebe pro brata,chto v tjur’me tomitsja. On prosil menja: Sletaj-ka,ptashka,v kraj rodimyj, poklonis’ moej sestritse,gorjacho ljubimoj, Vse l’ menja ona,golubka,dobrom vspominaet, vse l’ ona eshche o brate slezy prolivaet? |
ひとりのみなしごの娘がいた、深い溜息をついていた そんな不幸な娘の上を ツバメが一羽飛んでいた 飛びながら 歌いながら 頭のまわりをぐるぐる回ってた 回ってた、羽はほとんど彼女の髪の毛にぶつからんばかりに どうしてお前は頭のまわりをぐるぐる回るのよ、鳥さん? ああ、あっちへ行って、あたしはこの希望のない暮らしを送るのだから 行かないよ 行かないよ ぼくはぐるぐる回るんだ きみの兄さんのことを歌うんだ、彼は今牢屋で苦しんでるんだよ 彼はぼくにこう頼んだんだ:可愛い小鳥よ ふるさとで 俺の妹に会ってきてくれと、暖かく愛しい妹に 俺のことを、あの小鳩は、覚えていてくれるだろうか 俺のためにあの子は涙を流してくれているだろうか?って |
この曲と最終曲だけがプレシチェーエフの手にならない詞につけた曲です。最後の曲は他の15曲とは別に書かれた元々はこの歌曲集と関係のない歌だったので分かるのですが、この曲についてはそのあたりは謎が残ります。もっとも他のプレシチェーエフの詞についてもよくよく調べて見ると、そのすべてが彼の子供のための詩集「マツユキ草(Podsnechnuk)」から取られたというわけでもないようなので、作曲者が自由に詩を選んだというところもあるにはあるのでしょう。
この詩はもともとポーランドの詩人Teofil Lenartowiczの手になるもののスリコフによる翻訳なのだそうです。子供のための歌にしてはかなり重たい内容を歌ってはおりますが、これも民謡風の曲想もあってなかなかに印象的な曲となっています。
( 2008.09.28 藤井宏行 )