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Zima   Op.54-12  
  16 Pesni dlja detej
冬  
     16の子供のための歌

詩: プレシチェーエフ (Aleksey Nikolayevich Pleshcheyev,1825-1893) ロシア
    Iz Zhizni  Дед,поднявшись спозаранку

曲: チャイコフスキー (Pyotr Ilyich Tchaikovsky,1840-1893) ロシア   歌詞言語: ロシア語


Ded,podnjavshis’ spozaranku,
k vnuchkam v komnatu speshit.
“Dobroj vestochkoj uteshit’
 vas prishel ja”,govorit.

“Vse zimy vy zhdali,detki,
 nadoela vam davno
 osen’ khmuraja s dozhdjami;
 posmotrite - kak v okno!

 Za noch’ vypal sneg glubokij,
 i moroz,kak v dekabre.
 Uzh vprjagli v salazki
 Zhuchku rebjatishki na dvore.”

I tormoshit ded raskryvshikh
glazki sonnye vnuchat,
no na starogo plutishki
nedoverchivo gljadjat.

Podnjal shtoru ded - i tochno!
Sneg pod solnechnym luchom
brilliantami sverkaet,
otlivaet serebrom.

“Slava bogu! Slava bogu!”
detki veselo krichat,
i v ume ikh voznikaet
uzh kartin znakomykh rjad:

Na salazkakh s gor katan’e
i katan’e na kon’kakh...
i rozhdestvenskaja elka
sverkhu donizu v ognjakh!

じいちゃんは、えらく朝早よう起きて
孫たちの寝てる部屋へと急いだよ
「嬉しい知らせが届いたことを
 わしはお前たちに教えようと思ってな」とじいちゃん

「みんな冬を待っとったじゃろ、子供たちや、
 長いことうんざりして
 秋は雨でじとじとしてたからな、
 見なさい-窓の外を!

 夜の間に雪が深く積もって、
 霜が降りたんじゃ、12月になったからな
 もうソリに犬たちをつないでるぞ 
 よその男の子たちは庭に出て」

だからじいちゃんは揺り起こして覚ますのだ 
孫たちの寝ぼけ眼を
だが年老いたホラ吹きの言うことは
どうも信じてもらえないようだ

そこでじいちゃんはカーテンを開けた-ほんとだ!
雪が太陽の下で
ダイヤモンドのように
銀色に輝いてる

スゴイや! スゴイや! 
子供たちは嬉しそうに叫ぶ
そして彼らの心の中には
おなじみの光景が浮かんでいくのだ

丘を滑り降りるソリに 
スキーにスケート
クリスマスツリー
そしてそこに上から下まで灯るあかり!


微笑ましくも楽しい情景です。ロシアの冬はとても寒いのでしょうけれども、雪嵐がいつも吹いているわけでもないでしょうから晴れた日などはこんな感じで光り輝く大雪原の中を子どもたちがワイワイ言いながらそり遊びなどに興じている情景が見られるのでしょうね。
ここでチャイコフスキーが付けたメロディも非常に微笑ましい、心楽しくなるような素敵なもの。ちょっとおどけた表情はこのひょうきんなおじいさんの姿の描写でしょうか。最後は子どもたちにとってもとても大事な冬の行事であるクリスマスのことにちょっと触れ、そして輝かしく終わります。

「すごいや」と訳しましたSlava bogu!ですが、直訳しますと「ありがとう神様!」です。さすがロシア正教の国というだけのことはありますが、私はもう少しくだけた方がこの歌によく合っていそうに思えましたので「すごいや」にしました。ご了承ください。

( 2008.09.28 藤井宏行 )


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