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Ptichka   Op.54-2  
  16 Pesni dlja detej
小鳥  
     16の子供のための歌

詩: プレシチェーエフ (Aleksey Nikolayevich Pleshcheyev,1825-1893) ロシア
      Птичка

曲: チャイコフスキー (Pyotr Ilyich Tchaikovsky,1840-1893) ロシア   歌詞言語: ロシア語


Ptichka bozhija prosnulasja s zareju,
A uzh pakharja zastala za sokhoju.
Poletit ona k lazurnym nebesam
I,chto vidit v selakh,vse rasskazhet tam.

Skazhet ptichka bogu,chto bednjak stradaet,
Chto krova v a vym potom nivu oroshaet.
Ne mila,kak ptichke,pakharju vesna:
Ne neset ts soboju radostej ona...

Vstretil by on solntse pesenkoj veseloj,
Da molchat’ zastavil gnet nuzhdy tjazhelyj
Na serdtse zaboty,kak svinets,lezhat,
Ponevole pesnja ne pojdet nalad.

Skazhet ptichka bogu,chtob ego ruka
Podderzha la v gor’koj dole bednjaka.
Chtob emu nesti svoj krest dostalo sily,
Chtob bez ropota tsorpel on do mogily,
Chtob bez ropota tsorpel on do mogily...

神の小鳥が夜明けに目覚めたが
もう農夫は畑を耕していた
そこで小鳥は青い空に向かって飛んで行き
自分が村で見てきたことを語った

小鳥は哀れな農夫が苦しんでいることを神様に話した
血でもって彼は畑の水やりをしているし
少しも優しくないのだ、鳥たちにとってのようには、農夫の春は
やって来たところで何の喜びももたらさないのだと

陽気な歌で彼は太陽に挨拶したいのだけれど
暮らしの厳しさが彼を無口にしてしまう
心配事は心の中に鉛のように沈み
とても歌など歌えるどころではないのだと

そして小鳥は神様にその御手をお貸し下さるよう頼んだ
哀れな農夫がその不幸に耐えられるようにと
彼の十字架を背負う力を保ち続け
不満をもらすことなく、それを彼の墓にできるようにと
不満をもらすことなく、それを彼の墓にできるようにと


聖歌のような敬虔で穏やかなメロディで始まりますが、農夫への同情と共に情感が盛り上がって行きそしてまた最後は寂しく終わります。しかし子供の歌だというのにこの内容はどうでしょう。「正直な農夫だから神様が幸せにしてくれる」といったありきたりのおとぎ話ではない非常に冷酷な結末になっているところが一神教の神様の厳しさを感じます。以前どこかでも書いたと思いますが、日本の御利益がないと信じて貰えない神様たちと違って、こちらは信じることをさせて頂ければそれこそが神様の恩寵なのです、という根本的な信仰の違いがあります。そのあたりの機微を子供たちにしっかり教えようということなのでしょうか。
ここでの小鳥、とは地上から天高く昇って行くヒバリのことのようですね。
この詩はオリジナルがあって、ポーランドのWladyslaw Syrokomlaによる詩が下敷になっているのだそうです。

( 2008.09.28 藤井宏行 )


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