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Nochnoj zefir    
 
夜のそよ風  
    

詩: プーシキン (Aleksandr Sergeyevich Pushkin,1799-1837) ロシア
      Ночной зефир (1824)

曲: ダルゴムイシスキー (Alexander Sergeyevich Dargomyzhsky,1813-1869) ロシア   歌詞言語: ロシア語


Nochnoj zefir
Struit efir.
Shumit,
Bezhit
Gvadalkvivir.

Vot vzoshla luna zlataja,
Tishe... chu... gitary zvon...
Vot ispanka molodaja
Operlasja na balkon.

Nochnoj zefir
Struit efir.
Shumit,
Bezhit
Gvadalkvivir.

Skin’ mantil’ju,angel milyj,
I javis’ kak jarkij den’!
Skvoz’ chugunnye perily
Nozhku divnuju proden’!

Nochnoj zefir
Struit efir.
Shumit,
Bezhit
Gvadalkvivir.

夜のそよ風が
穏やかに漂う
さざめき
流れるは
グァダルキヴィル川

金色の月が昇ってきた
静かに...ほら....ギターの音が
若いスペイン娘が
バルコニーにもたれかかっている

夜のそよ風が
穏やかに漂う
さざめき
流れるは
グァダルキヴィル川

マンティラを投げてよ、愛しい天使よ
そして明るい太陽のように姿を現しておくれ
鉄の柵の間を通して
お前の素敵な脚を見せておくれ

夜のそよ風が
穏やかに漂う
さざめき
流れるは
グァダルキヴィル川


プーシキンもこんな異国情緒溢れる詩を書いていたのだと思うと興味深いところですが、スペイン第2の大河であるグァダルキヴィル川が出てくることからもお分かりのように、これはスペインのセヴィリアあたりの夜の情景を歌った詩です。ロシア語の韻なんぞ良く分からない私のようなものから見てもこの詩の言葉の響きの美しさは感じ取れます。ダルゴムイシスキーのつけたメロディはあまりスペイン色が出ていなくて、どちらかというとロシア民謡風とさえ言えますけれども魅力的な音楽です。中間部の間奏で突然出てくるボレロのリズムはとても印象的。そこまでの長くメロディを引きずるロシアの歌との対比がとても強烈です。
ひとつだけ補足しますと、マンティラというのはスペインの女性が持つスカーフのことだそうです。

( 2008.09.24 藤井宏行 )


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