Ne ver’ mne drug,kogda v izbytke Op.46-4 U morja |
信じないで欲しい、恋人よ 海辺で |
Ne ver’ mne drug,kogda v izbytke gorja Ja govorju,chto razljubil tebja! V otliva chas ne ver’ izmene morja, Ono k zemle vorotitsja,ljubja. Uzh ja toskuju,prezhnej strasti polnyj, Moju svobodu vnov’ tebe otdam. I uzh begut s obratnym shumom volny Izdaleka k ljubimym beregam. |
信じないで欲しい、恋人よ、悲しみのあまりに 私があなたを嫌いだと言ったことを! 潮が引くときに、海が裏切ったなどとは信じないで欲しい 潮はまた満ちてくるんだ、愛と共に 今私は悲しい、かつての情熱に満たされて 私の自由をもう一度あなたに差し出そう 今確かにざわめく波が戻ってくるのだ 遠くから愛する岸辺に向かって |
この詩はチャイコフスキーが曲を付けたものが良く知られているでしょうか。このリムスキーの歌曲集においては、他の海を具体的に描写した4編の詩にくらべると少々浮いている内容のようにも思えます。
音楽の方も何といいますかセンチメンタルな感傷が美しいんではありますが何ともこそばゆく、とても妙な感覚です。
チャイコフスキーの曲ではなんとなく女性が語っているようなイメージがしたので女性っぽく訳語を選んだのすが(そしてこのリムスキーのも実はそんな感じの曲ではあるのですが)、この歌曲集全体のイメージはひとりの男が海を見つめながら自分の心を内省する、といったテーマのようなので、ここでは訳し直してみました。はじめ一人称を「俺」にしたらへなちょこなヤンキーの独り言みたいでとてつもなく笑えてしまいましたので「私」にしました。それでも何だかまだ違和感が抜けませんけれども。。。
( 2008.09.23 藤井宏行 )