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Che dici,o parola del Saggio    
  Quattro Canzoni d'Amaranta
賢者の言葉は何を語っているのか?  
     アマランタの4つの歌

詩: ダンヌンツィオ (Gabriele d'Annunzio,1863-1938) イタリア
      Che dici,o parola del Saggio

曲: トスティ (Francesco Paolo Tosti,1846-1916) イタリア   歌詞言語: イタリア語


Che dici,o parola del Saggio?
“Conviene che l'anima lieve,
sorella del vento selvaggio,
trascorra le fonti ove beve.”

Io so che il van pianto mi guasta
le ciglia dall'ombra sì lunga...
O Vita,e una lacrima basta
a spegner la face consunta!

Ben so che nell'ansia mortale
si sfa la mia bocca riarsa...
E un alito,o Vita,mi vale
a sperder la cenere scarsa!

Tu dici: “Alza il capo; raccogli
con grazia i capelli in un nodo;
e sopra le rose che sfogli
ridendo va incontro all'Ignoto.

L'amante dagli occhi di sfinge
mutevole,a cui sei promessa,
ha nome Domani; e ti cinge
con una ghirlanda più fresca.”

M'attende: lo so. Ma il datore
di gioia non ha più ghirlande:
ha dato il cipresso all'Amore
e il mirto a Colei ch'è più grande,

il mirto alla Morte che odo
rombar sul mio capo sconvolto.
Non tremo. I capelli in un nodo
segreto per sempre ho raccolto.

Ho terso con ambe le mani
l'estreme tue lacrime,o Vita.
L'amante che ha nome Domani
m'attende nell'ombra infinita.

何を語るのか、ああ 賢者の言葉は?
「軽やかな魂がなすべきこととは
 荒々しい風の妹よ
 飲み水の泉を乗り越えることだ」

私は知っている むなしく泣くことが傷つけるのだと
この長くて陰を作る睫毛を
おお人生よ!一粒の涙で十分なのだ
この弱々しい情熱を消し去るのには!

よく知っている 死への怖れは
私の乾いたくちびるを歪めるのだと
そして一息で、おお人生よ、十分なのだと
このわずかばかりの灰を吹き散らすのには!

お前は言う「頭を上げよ、束ねよ
品良く 髪を結び目で
そして摘んだバラに向かって
笑いかけ 見知らぬ人に会いに行け

愛する人 そのスフィンクスの瞳を
うつろわせる、お前に約束された者は
「明日」という名だ、そしてお前に巻き付けるのだ
ひときわみずみずしい花輪を」

彼は私を待っているのだ、分かっている、だがその
喜びを与えてくれる方はもう花輪を持っていない
彼は愛に糸杉を与えてしまったのだ
そしてミルテの花を更に偉大な「彼女」に

ミルテは死へと与えられた 聞こえる
私の混乱しきった頭の中で響く轟音が
震えるまい、髪は結び目で
ひそやかに 永遠に束ねられたのだから

私は両方の手で拭い去った
お前の最後の涙を、おお人生よ
「明日」という名の恋人は
無限の陰の下で私を待っている


この詩は非常に難解で、他の日本語訳や英訳を見てもさっぱり意味が取れなかったのですが、私のイメージできた範囲でできるだけ辻褄の合う訳を試みてみました。一番分かりにくいのは、お前やら彼やら彼女やら色々な代名詞が出てきてしかもその指すものが何だか分からないところにあるのですが、一応分かることは、「彼」とあるのは「明日」のことで、恋人でもあり、そして「喜びを与えてくれる者」でもあるのですね。そしてその彼がミルテや糸杉を与える、というのはもちろん死の運命のこと。この「一層偉大な彼女」というのは死のことを指しているのだと思います。「髪の毛を束ねる」というのも良くは分かりませんでしたが死装束のひとつでしょうか。スフィンクスの瞳、とあるのはイタリア歌曲では良く出てくる言い回しですが、謎に満ちた眼差しとでもいったところかと思います。

全体的に暗く、しんみりと歌われますが、中ほどの賢者の言葉で「明日と名付けられた者」とあるところでほのかにメロディが明るくなり、また元に戻りはするものの最後の「両手でお前の最後の涙をぬぐい(この「お前」が誰を指しているのかは私にはよくわからなかったのですが)」のところで再び立ち込めていた霧がさっと晴れるかのように明るくなり、そして穏やかに曲を閉じます。「明日という名の恋人が」からの2行をやさしく繰り返すのは未来へのほのかな希望でしょうか。それとも死への憧れでしょうか。
とても難解ではありますが、色々な想像を掻き立てられる詩と音楽です。

( 2008.09.14 藤井宏行 )


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