Let Beauty awake Songs of Travel |
美しい人を目覚めさせよ 旅の歌 |
Let Beauty awake in the morn from beautiful dreams, Beauty awake from rest! Let Beauty awake For Beauty's sake In the hour when the birds awake in the brake And the stars are bright in the west! Let Beauty awake in the eve from the slumber of day, Awake in the crimson eve! In the day's dusk end When the shades ascend, Let her wake to the kiss of a tender friend, To render again and receive! |
美しい人を目覚めさせよ この朝に 美しき夢より 美しい人よ 休らぎより目覚めよ! 美しい人を目覚めさせよ その美しさのために 茂みで鳥たちが夜明けに目覚めるときに 西の空に星が輝くときに 美しい人を目覚めさせよ この夕に 日中のまどろみより くれないの夕べに目覚めよ! 一日の暮れ行く終わりのときに 陰が長く延びるときに 彼女を目覚めさせよ 優しき友のくちづけに ふたたび身をまかせ、受け入れるように! |
詩集では9番目、旅をテーマにはしていませんけれども恋人への憧れを歌う美しい歌です。
旅先でふと浮かんだ幻想でしょうか。こんな感じの愛のシチュエーションが次の曲をはじめこの歌曲集にはいくつか現れてきています。もう会うことのない恋人のことなのでしょうけれども。
冒頭の心の揺らぎのような激しいピアノの前奏は、歌になると憧れに満ちた流麗なメロディへと変わり、そしてはっきりした終止形を取ることなく消え入るように終わります。
美しいアルペジオの伴奏と共に忘れがたい音楽となりました。
( 2008.09.15 藤井宏行 )