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Les Larmes   Op.65-5  
  Frantsuzskij romansov
涙  
     フランスの詩人による歌曲

詩: ブランシュコット (Augustine-Malvina Souville Blanchecotte,1830-1878) フランス
      

曲: チャイコフスキー (Pyotr Ilyich Tchaikovsky,1840-1893) ロシア   歌詞言語: フランス語


Si vous donnez le calme après tant de secousses,
Si vous courez d'oubli tant de maux dérobés,
Si vous lavez ma plaie et si vous êtes douces,
O mes larmes,tombez! tombez!

Mais,si comme autrefois vous êtes meurtrières,
Si vous rongez un coeur qui déjà brûle en soi,
N'ajoutez pas au mal,respectez mes paupières:
O larmes,laissez moi,laissez moi!

Oui,laissez moi! je sens ma peine plus cuisante,
Vous avez evoqué tous mes rêves perdus:
Pitié! pitié! pitié!
laisez mourir mon âme agonisante!
Larmes,ne tombez pas! ne tombez pas!

もしもお前が たくさんの驚きの後に安らぎをくれるのならば
もしもお前が たくさんの隠された悪しきことを忘れさせてくれるのならば
もしもお前が私の傷を洗い、もしも私をいたわってくれるのならば
おお 私の涙よ、流れるがいい! 流れるがいい!

だが、もしお前が昔のように残酷で
もしもお前が 既に燃え上がっている心を蝕もうというのならば
悪しきことを増やさないでくれ、私の瞼を大事にしてくれ
おお涙よ、私を放っておいてくれ、私を放っておいてくれ!

そうだ、私を放っといてくれ!私には我が痛みが一層激しくなるのが分かる
お前は私のなくした夢を皆呼び覚ましたのだ
お願いだ! お願いだ! お願いだ!
私の苦しめられている魂を死なせてくれ!
涙よ、流れるな! 流れるな!


この曲がフランス語の詩による歌曲Op.65の中では一番チャイコフスキーの歌曲っぽいメロディに溢れているでしょうか。ユリア・ヴァラディの歌うフランス語のバージョンで聴きましたがなかなかに味わい深いです。この曲にはドビュッシーをはじめとするフランス歌曲のスペシャリストとして鳴らしたイギリスのソプラノ、マジー・ティトの録音もあり、Naxosの復刻盤で聴けます。彼女のチャイコフスキーはこの曲のみなのだそうで非常に興味深いところ。何よりフランス歌曲を歌っている大御所でチャイコフスキーを取り上げている人というのが皆無に近い状況なのでひときわ目を引くのです。

( 2008.08.01 藤井宏行 )


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