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Qu'importe que l'hiver   Op.65-4  
  Frantsuzskij romansov
気にすることがあろうか 冬が  
     フランスの詩人による歌曲

詩: コラン,ポール (Paul Collin,1845-1915) フランス
      Qu'importe que l'hiver

曲: チャイコフスキー (Pyotr Ilyich Tchaikovsky,1840-1893) ロシア   歌詞言語: フランス語


Qu'importe que l'hiver éteigne les clartés
Du soleil assombri dans les cieux attristés?
Je sais bien où trouver encore
Les brillants rayons d'une aurore
Plus belle que celle des cieux.
Toi que j'adore,
C'est dans tes yeux!

Qu'importe que l'hiver ait des printemps défunts
Dispersé sans pitié les enivrants parfums?
Je sais où trouver,non flétrie,
Malgré les bises en furie,
Une rose encor tout en fleur.
O ma chérie,
C'est dans ton coeur!

Ce rayon qui,bravant les ombres de la nuit,
Toujours splendide et pur au fond de tes yeux luit;
Cette fleur toujours parfumée
Qui dans ton coeur est enfermée
Et qui sait survivre à l'été.
Ma bien aimée,
C'est la beauté!

気にすることがあろうか 冬が輝きを消したところで
悲しげな空の下の陰鬱な太陽の?
私はどこで見つければ良いかは分かっている
夜明けの輝かしい光を
天よりももっと美しいもの
私の愛するあなたよ
それはあなたの瞳の中に!

気にすることがあろうか 冬が死せる春に
容赦なく毒々しい芳香を撒き散らしたところで?
私はどこで見つければ良いかは分かっている、色あせぬものを
どんなに嵐が吹き荒れようとも
なおも咲き誇る一輪のバラを
おお我が愛しき人
それはあなたの心の中に!

この光は、夜の暗闇をものともせず
常に美しく清らかだ あなたの瞳の底で
この花はいつもかぐわしい
あなたの心の中に秘められて
夏をどうやって乗り切るかを知っている
私の愛する人よ
それはあなたの美しさなのだ!


十月の詩というタイトルが付けられていることがありますが、これはコランのこの原詩が収録されている詩集のタイトルなのだそうです。私のようなものが偉そうに言うのもなんですが、コランの詩でこの歌曲集に取り上げられているものの中では一番良く出来たものだと思います。訳していても面白かったです。ただ残念ながらチャイコフスキーの音楽のほうはあまりぱっとしないので、全体の印象はかなり弱いものになってしまいました。歌曲集6曲の中でも取り上げられることは一番少なく、全曲取り上げられることでもなければ聴けることはまずないのではないかと思います。

( 2008.08.01 藤井宏行 )


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