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Detskaja pesenka   Op.54-16  
  16 Pesni dlja detej
子供の歌  
     16の子供のための歌

詩: アクサコフ (Konstantin Sergeyevich Aksakov,1817-1860) ロシア
      

曲: チャイコフスキー (Pyotr Ilyich Tchaikovsky,1840-1893) ロシア   歌詞言語: ロシア語


Moj Lizochek tak uzh mal,tak uzh mal,
chto iz kryl’ev komarishki
sdelal dve sebe manishki,
i-v krakhmal,i-v krakhmal!

Moj Lizochek tak uzh mal,tak uzh mal,
chto iz gretskogo orekha
sdelal stul,chtob slushat’ ekho,
i krichal,i krichal!

Moj Lizochek tak uzh mal,tak uzh mal,
chto iz skorlupy jaichnoj
faeton sebe otlichnyj
zakazal,zakazal!

Moj Lizochek tak uzh mal,tak uzh mal,
chto iz skorlupy rachonka
sshil chetyre bashmachonka
i - na bal,i - na bal!

Moj Lizochek tak uzh mal,tak uzh mal,
chto iz listika sireni
sdelal zontik on dlja teni
i guljal,i guljal!

Moj Lizochek tak uzh mal,tak uzh mal,
chto naduvshi oduvanchik,
zakazal sebe divanchik,
tut i spal,tut i spal!

Moj Lizochek tak uzh mal,tak uzh mal,
chto natkat’ sebe kholstiny
pauku iz pautiny
zakazal,zakazal!

あたしのリゾチェクはちっちゃいの、とってもとってもちっちゃいの
蚊のちっちゃな羽で作ったの
自分のシャツの前掛けを
それから引っ掻いたの、引っ掻いたの!

あたしのリゾチェクはちっちゃいの、とってもとってもちっちゃいの
クルミの殻で作ったの
イスをひとつ、こだまを聞くために
それから叫んだの、彼は叫んだの!

あたしのリゾチェクはちっちゃいの、とってもとってもちっちゃいの
タマゴの殻で作ったの
完璧な馬車を、自分のために
注文したの 注文したの!

あたしのリゾチェクはちっちゃいの、とってもとってもちっちゃいの
ちっちゃなエビの殻で作ったの
ダンスの靴を二足縫ったの
さあ踊りましょ さあ踊りましょ

あたしのリゾチェクはちっちゃいの、とってもとってもちっちゃいの
ちっちゃなライラックの葉っぱで作ったの
パラソルを 自分のために
さあお散歩よ さあお散歩よ

あたしのリゾチェクはちっちゃいの、とってもとってもちっちゃいの
ちっちゃな真綿で作ったの
十分なだけのソファの詰め物を
それから眠ったの、それから眠ったの

あたしのリゾチェクはちっちゃいの、とってもとってもちっちゃいの
麻糸のひと切れを紡いだの
あの子は見つけたの、クモの巣にクモを一匹
そいつを働かせたの、そいつを働かせたの


作品54の子供のための歌、最終16曲目は非常に不思議な感じのするわらべ歌です。ばりばりのロシア民謡という雰囲気も漂わせて、日本でいえばさだめし「通りゃんせ」や「棒がいっぽんあったとさ」のような曲とでも言えましょうか。
「リゾチェク」というのは「リーザちゃん」といった意味でしょう。可愛がっているお人形にそういう名前をつけて色々遊んでいる、というシチュエーションでしょうか。そんなことをイメージしながら訳してみました。
もともとこの子供のための歌曲集Op.54は15曲で作曲されたようですが、のちにこの1曲が追加されました。それもあってこの詩の作者はプレシチェーエフではなく、アクサコフという別の詩人です。

というわけで子供の歌声で聴いてみるのも悪くなさそうなのですが、私がこの曲を聴いたことがあるのはボリス・クリストフの強烈なバス(EMI)。ちょっと子供というにはパワーがありすぎのような感じですし、お人形遊びだとすると男声ではかなり違和感が...朴訥な感じは非常に好ましかったですけれども。もう1枚はNaxosno歌曲全集のカザルノフスカヤのソプラノですが、こちらはちょっと洗練されすぎている印象。子供の歌Op.54全体でみるとなかなか良い出来ですし、廉価でこの全曲が聴けるのは大変有難いのではありますが。

( 2008.08.01 藤井宏行 )


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