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Gornimi tikho letela dusha nebesami   Op.47-2  
  7 Romansov
魂は静かに高い空を飛んでいた  
     7つのロマンス

詩: トルストイ,アレクセイ (Count Aleksei Konstantinovich Tolstoy,1817-1875) ロシア
      Горними тихо летела душа небесами(1858)

曲: チャイコフスキー (Pyotr Ilyich Tchaikovsky,1840-1893) ロシア   歌詞言語: ロシア語


Gornimi tikho letela dusha nebesami,
Grustnye dolu ona opuskala resnitsy,
Slezy v prostranstvo ot nikh upadaja zvezdami,
Svetloj i dlinnoj vilisja za nej verenitsej.

Vstrechnye tikho ee voproshali svetila:
“Chto tak grustna i o chem eti slezy vo vzore?”

Im otvechala ona: “ja zemli ne zabyla.
Mnogo ostavila tam ja stradan’ja i gorja.

Zdes’ ja lish’ likam blazhenstva i radosti vnemlju,
Pravednykh dushi ne znajut ni skorbi,ni zloby.

O,otpusti menja snova,sozdatel’,na zemlju,
Bylo-b o kom pozhalet’ i uteshit’ kogo-by!”

魂は静かに高い空を飛んでいた
悲しげにそのまつげを伏せると
涙が流れ星となって空へとこぼれ落ち
明るい長い尾となって散っていった

すれ違う星たちは魂にそっと尋ねた:
「なぜあなたはそんなに悲しいそうなの?なぜ涙を目にためているの」と?

星たちに魂は答えた:「私は地上のことを忘れられないのです
 たくさんの苦しみと悲しみをそこに置いてきたから

ここでは至福と喜びの声しか聞くことはありません
気高い魂は悲しみも怒りも知ることはないのです

おお、私を再び遣わして下さるなら、創造主よ、あの地上へと
誰かを哀れみ慰めることもできるでしょうに!」


星たちの話ですが詩の中身は非常にヒューマニスティックです。この同じ詩にムソルグスキーが曲を付けた作品はそのスタイルが非常に感動的だったりするのですが、ここでのチャイコフスキーの曲はどちらかというとそういう精神的な深みよりは音楽としてどれだけ酔えるかが追求されている感じがします。星が飛び交う冒頭の情景のところはまるでバレエ音楽のような濃厚なワルツ、とても美しいメロディではありますが少々演出過剰な印象。いい曲なんですけれどもあまり取り上げられることが多くないのはそんなところにもあるのかも知れません。

( 2008.08.01 藤井宏行 )


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