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On tak menja ljubil   Op.28-4  
  6 Romansov
彼はそれほどあたしを愛してたのね  
     6つのロマンス

詩: アフーチン (Aleksei Nikolayevich Apukhtin,1841-1893) ロシア
      Он так меня любил 原詩:ジラルダン Delphine de Girardin,

曲: チャイコフスキー (Pyotr Ilyich Tchaikovsky,1840-1893) ロシア   歌詞言語: ロシア語


Net,ne ljubila ja! no strannaja zabota
Tesnila grud’ moju,kogda on prikhodil;
To vsja krasnela ja,bojalasja chego to,
On tak menja ljubil,on tak menja ljubil!

Chtob nravit’sja emu togda,tsvety i te narjady
Ja beregla,chto on po serdtsu nakhodil;
S nim govorila ja,ego lovila vzgljady,-
On tak menja ljubil,on tak menja ljubil!

No raz on mne skazal: “V tu roshchu,
v chas za kata pridesh’ li?” -- “Da,pridu!”
No ne khvatilo sil. Ja v roshchu ne poshla,
on zhdal menja naprasno!

Togda uekhal on,serdjas’ na neudachu;
Neschastnyj,kak menja prokljast’ on dolzhen byl!
Ja ne uvizhus’ s nim,mne tjazhelo,ja plachu...
On tak menja ljubil,on tak menja ljubil!

いいえ、あたしは愛してなんてなかった!でも不思議な気持ちが
あたしの胸を締め付けてたの 彼がやってくると;
あたしは真っ赤になったり、何かに不安になったりしたわ
彼はそれほどあたしを愛してたのね、彼はそれほどあたしを愛してたのね!

彼を喜ばせようと、あたしは花を飾ったり
彼の好きな洋服をきたりしたわ
彼とあたしはおしゃべりした、そしてあたしは彼の眼差しをとらえた
彼はそれほどあたしを愛してたのね、彼はそれほどあたしを愛してたのね!

そしてあるとき彼は言ったわ:「あの茂みに
夕暮れ時に来てくれるかい?」って。「はい、行くわ!」
でもあたしは勇気がなかった。あたしは茂みには行かなかったの
彼はむなしくあたしを待っていたの!

そして彼は去ってしまった、このことに怒って;
気の毒な人、どんなにあたしを呪ったのでしょう
もうあたしは彼と会うことはないでしょう、あたしはつらい、泣くわ
彼はそれほどあたしを愛してたのね、彼はそれほどあたしを愛してたのね!


素朴な民謡調の悲しみの音楽に乗せて乙女の嘆きが歌われます。この曲もメロディが美しいのでよく歌われます。詞の内容は古今東西よくあるお話しですね。乙女の複雑な心...
この詩は作者不詳とされていることも多いですが、R.D.SylvesterのTchaikovsky's Complete Songs(Indiana University Press)ではフランスの詩人Delphine de Girardin(Delpine Gay)の詩をアレクセイ・アフーチンがロシア語訳したものという記述がありました。アフーチンの詩だという説は古くからありましたので、おそらくこれが正しいのでしょう。というわけで作詞にはこのフランスの詩人を記載させて頂きました。

( 2008.08.01 藤井宏行 )


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