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I saw my Ladye weepe    
  The Second Book of Songes
私の恋人が泣くのを見た  
     歌の本第2

詩: 不詳 (Unknown,-) 
      

曲: ダウランド (John Dowland,1563-1626) イギリス   歌詞言語: 英語


I saw my lady weep,
And Sorrow proud to be advanced so,
In those fair eyes where all perfections keep,
Her face was full of woe;
But such a woe (believe me) as wins more hearts,
Than Mirth can do with her enticing parts.

Sorrow was there made fair,
And Passion wise,tears a delightful thing,
Silence beyond all speech a wisdom rare,
She made her sighs to sing,
And all things with so sweet a sadness move,
As made my heart at once both grieve and love.

O fairer than aught else,
The world can show,leave off in time to grieve,
Enough,enough,your joyful looks excels,
Tears kills the heart.
O strive not to be excellent in woe,
Which only breeds your beauty's overthrow.

私の恋人が泣くのを見た
悲しみは、あの完璧な美しさの目に
宿る栄誉を得たのだ
彼女の顔は悲しみに満ちていたが
それは実にいかなる喜びよりも
魅力的であったと言えよう

悲しみも、そこにおいては美となり
情熱は賢明に、涙は快いものに、
沈黙は言葉に優る知恵に、
溜息は歌になり
つまりは全てが甘美な悲哀となって
私の心を悲しみと愛に作り変えるのだ

おお、それはこの世で見る事が出来る何よりも美しい
だが、時が来たら嘆くのはやめるのだ
もう十分だ、貴女の喜びの方が素晴らしい
涙は心を傷つけ殺すもの
おお、悲哀で人に秀でようとしてはならぬ
悲しみはついには貴女の美を壊してしまうのだから

シェークスピアと同時代のイギリスの作曲家ダウランドは、素晴らしいリュー
ト(伴奏)歌曲をたくさん残しています。英語詩による古雅な歌は大変魅力
的です。

波多野睦美(メゾ)&つのだたかし(リュート)(PARDON:TH4628)
ナイジェル・ロジャース(テノール)&ポール・オデット(リュート)(ヴァージン)
エマ・カークビー(ソプラノ)&A.ルーリー(リュート)(オワゾリール)
エマ・カークビー、デヴィッド・トーマス(バス)&A.ルーリー(リュート)(オワゾリール)

1枚物のダウランド歌曲集で好きなのが波多野睦美盤。翳りのある柔らか
いメゾソプラノで素直に歌っています。リュート・ソロ曲も交えての演奏。ベ
テランのロジャースは男の哀愁漂う歌いくち。オワゾリールの全集における
カークビーの透明な声の美しさ。しかし、バスのトーマスが低音部を歌って
いるのが余計。幸い補遺の方にソロの録音が入っている。しかしわたしは全
集で他の曲を歌っているテノールのマーティン・ヒルが大好きなので、彼に
も歌って欲しかった。ヒルが主要曲を歌ったアルバムってありませんか?

( 1998.08.05 甲斐貴也 )


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