Drobitsja,i pleshchet i bryzzhet. Op.46-1 U morja |
砕け、打ちつけ、ほとばしる波は 海辺で |
Drobitsja,i pleshchet i bryzzhet volna mne v ochi solenoju vlagoj; nedvizhno na kamne sizhu ja,polna dusha bezotchetnoj otvagoj. Valy za valami,priboj i otboj, i pena ikh grebni pokryla. O,more,kogo zhe mne vyzvat’ na boj, izvedat’ voskresshie sily? Pochujalo serdtse,chto zhizn’ khorosha, vy,volny,razmykali gore, ot groma i pleska prosnulas’ lusha - srodni ej shumjashchee more! |
砕け、打ちつけ、ほとばしる波は 私の目に塩辛いしぶきをはねかける 静かに岩の上に座り、私は 魂に勇気が満ちてくるのを感じた 波はうずまき、寄せてはまた返す そして泡は波におおわれる おお海よ、誰と私は戦えばよいのか この蘇った力を試すために? 心は人生の素晴らしさを知っている 波よ、悲しみから私を開放し 轟く雷鳴と水音で目覚めさせよ あのざわめく海のように! |
リムスキー=コルサコフには比較的珍しい表題付きの歌曲集のひとつが作品46の「海辺に U morja」(1897)です。アレクセイ・トルストイの海を題材とした詩を5篇選んで編んだこの歌曲集、なかなかに聴きごたえのある傑作だと思うのですが、取り上げられることは非常に少なく知られざる歌曲集となっています。私が5曲まとめて聴くことのできたのも、ウクライナ出身のバス、ヴァシリー・サヴェンコのMeridian録音くらい。ただ第1曲だけは単独でしばしば取り上げられることもあるようです。
これは激しく打ち寄せる波を見つめながら、蘇った活力をしみじみと述懐する、ピアノの荒波を描写したような伴奏と共に目の覚めるような情景が描写されます。
この歌曲集、面白いのはその第4曲にチャイコフスキーも曲をつけているこの詩を持ってきていることです。確かに海を描写した詩ではありますがちょっとむりやりの感じが...
あとはどの曲も比較的ストレートに海を描写した詩が続きます。激しいものから静かなものまで多彩で面白いです。
( 2008.08.01 藤井宏行 )