Pesnja temnogo lesa |
暗い森の歌 |
Temnyj les shumel, temnyj les gudel, pesnju pel, pesnju staruju, byl’ byvaluju, skazyval: kak zhivala tam volja-voljushka,vol’naja; kak sbiralas’ tam sila-silushka,sil’naja. Kak ta voljushka razguljalasja, kak ta silushka raskhodilasja, na raspravu shla voljushka, goroda brala silushka i nad nedrugom poteshalasja, krov’ju nedruga upivalasja dosyta. Volja vol’naja, sila sil’naja. |
暗い森は音を立てた 暗い森はうなっていた 歌を歌っていた 古い昔の歌を かつて起こったことを 森は語っていた いかに暮らしていたのかを 自由な魂たちが いかに集結してきたのかを 強大な力が いかにその魂が激しく行動したか いかにその力が怒りに燃えたかを 魂は暴動を起こし 力は町を占拠した そして敵を嘲笑し 敵の血を存分にすすったのだ 自由な魂たちが 強大な力が |
不気味に森が蠢くような前半の重苦しさと、後半騒乱が引き起こされるところの激しさと、拍子がくるくると変わりながら大変不穏な歌が繰り広げられます。ボロディンの個性が見事に出た傑作歌曲と私は思います。ロシアのバス歌手のレパートリーとしても屈指の作品でしょう。農民の抑圧からの反乱を叙事詩のように表現しているのだと思いますが、伴奏と一緒に語るように歌われるスタイルはとても個性的。ボロディンの作品はどれも個性豊かですが、その中でも印象に残ることでは1・2を争います。
( 2008.08.01 藤井宏行 )