Prokhodit vse Op.26-15 Pjatnadtsat’ romansov |
すべては過ぎ去っていく 15のロマンス |
Prokhodit vse,i net k nemu vozvrata. Zhizn’ mchitsja vdal’,mgnovenija bystrej. Gde zvuki slov,zvuchavshikh nam kogda-to? Gde svet zari nas ozarjavshikh dnej? Rastsvel tsvetok,a zavtra on uvjanet. Gorit ogon’,chtob vskore otgoret’... Idet volna,nad nej drugaja vstanet... Ja ne mogu veselykh pesen’ pet’! |
すべては過ぎ去っていく、戻ってくることはない 人生は急ぎ行く、一瞬の間に かつて私たちが聞いた言葉の響きはどこなのだ? かつて私たちを照らした暁の光はどこなのだ? 花は咲き、明日には枯れる 炎がきらめき、すぐに消え去る 波が来ても、次の波に飲み込まれる 私は陽気な歌など歌えない |
詩のラートガウスといえば、まだアマチュアの時代に大作曲家チャイコフスキーに自作の詩を送り付け、良かったらこれに作曲して下さいという大胆なお願いをしたのがチャイコフスキー最後の歌曲集Op.73として歴史に残ることとなったエピソードを持つ人ですが、その後1900年代初頭には厭世的なことを書く詩人として結構人気があったのだといいます。そしてそんな厭世的な詩のひとつに若きラフマニノフは曲を付けました。分かりやすい詩に分かりやすい音楽ですので、もっと凝った作品のたくさんあるラフマニノフの歌曲の中では個人的にはそれほど傑作のようには思わないのですけれども、なぜか人気が高くて結構取り上げられているようです。
( 2008.08.01 藤井宏行 )