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Come sing and dance    
 
来たれ、歌え、踊れ  
    

詩: 不詳 (Unknown,-) 
       原詩:From an Old Carol

曲: ハウエルズ (Herbert Howells,1892-1983) イギリス   歌詞言語: 英語


From far the angels draw
Eia, eia
Sweet is the Day Spring that heals our fear;

Come Sing and Dance,
Come pipe and play
Alleluia, Alleluia,
Sing Jesus Christ and Mary dear.

A child this day to us is born.
Eia,
Sing all ye shepherds proclaim the morn.

Come Sing and Dance,
Come pipe and play
Alleluia, Alleluia,
Sing Jesus Christ and Mary dear.

Now all mankind doth say and sing
Eia!
This is the day of Christ and King

Come Sing and Dance,
Come pipe and play
Alleluia, Alleluia,
Sing Jesus Christ and Mary dear.

Eia, Alleluia!
彼方より天使が降り来る
エイヤ、エイヤ
我らが悩みを癒すこの良き日に

来て歌え、踊れ
笛を吹いて祝え
アレルヤ、アレルヤ
イエスキリストと聖母マリアをたたえて歌え

この日我らが神子がお生まれになった
エイヤ
羊飼いたちは夜明けを告げる

来て歌え、踊れ
笛を吹いて祝え
アレルヤ、アレルヤ
イエスキリストと聖母マリアをたたえて歌え

今、諸人は語り、歌う
エイヤ
今日は救世主・王の日だ

来て歌え、踊れ
笛を吹いて祝え
アレルヤ、アレルヤ
イエスキリストと聖母マリアをたたえて歌え

エイヤ、アレルヤ

ハウエルズというと、合唱をされている方には美しいハーモニーの曲でそれなりにおなじみかも知れませんが、それ以外の方には多分ほとんど知られていないであろうイギリスの作曲家です。が、中世っぽい古い静謐なスタイルの音楽に、斬新なハーモニーや時折ふっと見せる前衛的な表情がたまらない魅力を醸し出していますので、ぜひ聴かれてみることをお勧めしたい人のひとりです。
特にレクイエム・楽園への賛歌といった宗教作品は、ディーリアスの管弦楽付き合唱の作品がお好きな方ならまず間違いなくハマるのではないかと思います。
さて、彼の作品には歌曲はそんなに多くないようなのですが、これも一見保守的なスタイルのように見せかけて実は斬新という、彼独特の魅力に溢れた作品がいくつもあり、見逃せません。
ご紹介した曲も、ゆったりとしたリズムに、ちょっとした翳りを漂わせながら、非常に魅力的なメロディーで聴かせてくれる素敵な作品です。
何枚かのイギリス歌曲のアンソロジーCDの中に収録されているのを聴いたことがありますが、温厚・中庸のスタイルを維持しながら、なお突出して個性的な作品なので一発でメロディーが耳に残り、忘れられなくなりました。昔のクリスマスのお祝いを思わせながら、伴奏や和声の進行は斬新で、とてもモダンな香りのする歌曲です。

入手しやすいのは、フェリシティ・ロット(Sop)のシャンドス盤(イギリス歌曲集)ではないかと思いますが、もう少し素朴で味わいがあるという点で、私はUnitedレーベルの”Dweller in my Deathless Dreams”というタイトルの20世紀イギリス歌曲集で、サラ・レオナルドのソプラノが歌ったものを良く聴きます。
このCD、他にもウォーロックやアイアランド、ブリッジ、ホルストの作品が収録されていて、まさに20世紀の掘出し物英国作曲家のショーケースとなっています。
ハウエルズの作品でも、擬古典的なスタイルが実に美しい「ガヴォット」や、彼得意の旋律がフッと翳る表情が見事な「ダヴィデ王」など、他にも素敵な曲が収録されているのが魅力です。あと特筆しておくべきは、ハウエルズの歌曲のピアノ伴奏パートは見事に書かれていて、これも忘れがたい印象を与える重要な要素ではないかと思っています。
この曲でハウエルズにハマれば、次はChandosにある2枚組のハウエルズ歌曲集に手を出すのも悪くないかと...
私はまだ聴いていませんがいずれ手を出したいと思っています。

( 2002.12.17 藤井宏行 )


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