Vse otnjal u menja Op.26-2 Pjatnadtsat’ romansov |
すべてを奪われた 15のロマンス |
Vse otnjal u menja kaznjashchij Bog,- Zdorov’e,silu,voli,vozdukh,son. Odnu tebja pri mne ostavil On, Chtob ja Emu eshche molit’sja mog. |
私はすべてを厳格な神に奪われた 健康も 力も 意志も 呼吸も 眠りも 神が私に残されたもの それはお前だけ 神へと 私はまだ祈りを捧げることができるようにと |
非常に深遠かつ難解な詩です。付けられた曲は激しい絶望を表わすかのような力強い叫びがあっという間に終わってしまうようなものですが、この曲もロシアのバス歌手には不思議と人気があって良く取り上げられます。
詩の解釈で少々悩んだのは最後の「お前」で、具体的に大切な人がたった一人だけ奪われずに残ったことを感謝していると取るのか、それとも「神に祈ることのできる最後の力」のことを「お前」と呼んでいるのかどちらだろうかということです。詩としてのインパクトを考えると後者の方が正解のような気もしますが実際のところは判断できませんでした。
ネステレンコの1985年の来日公演で、他の名曲をさておいてラフマニノフ歌曲からは「歌わないでくれ、乙女よ」「夢」と並んでこの曲のつごう3曲。確かに絶唱でしたので私も良く覚えています。
( 2008.08.01 藤井宏行 )