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Rechnaja lileja   Op.8-1  
  Shest' romansov
睡蓮  
     6つのロマンス 

詩: プレシチェーエフ (Aleksey Nikolayevich Pleshcheyev,1825-1893) ロシア
      Die Lotosblume ängstigt 原詩: Heinrich Heine ハイネ,Buch der Lieder - Lyrisches Intermezzo(歌の本-抒情小曲集)

曲: ラフマニノフ (Sergei Rachmaninov,1873-1943) ロシア   歌詞言語: ロシア語


Rechnaja lileja,golovku podnjavshi na nebo gljadit;
A mesjats vljublennyj luchami unylo ee serebrit...
I vot ona snova ponikla stydlivo,k lazurnym vodam;
No mesjats vse blednyj i tomnyj kak prizrak,sijaet i tam...

睡蓮は、頭を上げて空を眺める
月は悲しげにその銀の光で愛撫する
そして再び 睡蓮は恥ずかしげにうつむく 青い水の面に
青ざめた月は幽霊のように、そこを照らしている


シューマンの歌曲集「ミルテの花」にも収録されていることでたいへん良く知られたハイネの詩を、若きラフマニノフもまた歌曲にしています。この歌曲集Op.8は6曲中3曲がハイネの詩ですが、そのいずれもがアレクセイ・プレシチェーエフの手になるロシア語訳です。厳密にロシア語に置き換えたという訳ではなくて、言葉の選び方などにプレシチェーエフ独自のものがいずれの詩でもあるようで、ロシア語から訳し戻してみると印象がかなり違って見えます。この「睡蓮」でもかなり雰囲気は幻想味が増しましたでしょうか。濃密なラフマニノフの音楽もあいまってすっかり鮮烈な歌曲となりました。とはいえ全体の感じはシューマンのかの有名な歌曲とあまり違わないのが面白いです。ピアノの伴奏などは少々弾けていてインパクトは相当強いものがありますけれども。

( 2008.08.01 藤井宏行 )


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