Utro Op.4-2 Shest' romansov |
朝 6つのロマンス |
“Ljublju tebja!” Shepnula dnju zarja I,nebo obkhvativ,zardelas’ ot priznan’ja, I solntsa luch,prirodu ozarja, S ulybkoj posylal ej zhguchie lobzan’ja. A den’,kak by eshche ne doverjaja, Osushchestvleniju svoikh zavetnykh grez, Spuskalsja na zemlju,s ulybkoj utiraja Blestevshie vokrug rjady almaznykh slez... |
「I love you」と 朝焼けは昼に向かってささやいた そして空を抱きしめると、自分の告白に真っ赤になった そこで太陽の光は、自然を照らし 微笑みながら朝焼けに燃えるようなくちづけを贈った だが昼は、まだ信じられないようだ 自分の抱いていた夢が実現したことに 地上に降りてきた、微笑みながら ダイヤモンドのような朝焼けの涙の露を乾かそうとしている |
ロシア語で朝焼け(Zarja)は女性名詞、そして昼(Den)は男性名詞ということですので、おそらくこんな感じの女性から男性への愛の告白に朝の風景を見立てているのでしょう。なんとも初々しいふたりの擬人化が、さわやかな朝の雰囲気にぴったりです。夜が明けていく中でふたりの気持ちが盛り上がっていく描写が見事。
ラフマニノフの若き日の作品ですが、たいへん印象的な音楽でよく歌われます。詞のヤーノフはあまり見かけない詩人ですが、素朴ながらもなかなかおしゃれな詩だと思います。ロマンティックな音楽にぴったり。
( 2008.08.01 藤井宏行 )