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お菓子と娘    
 
 
    

詩: 西条八十 (Saijyou Yaso,1892-1970) 日本
      

曲: 橋本國彦 (Hashimoto Kunihiko,1904-1949) 日本   歌詞言語: 日本語


詩:著作権のため掲載できません。ご了承ください


芸術歌曲からシャンソンの翻訳、更には演歌の作詞まで幅広く活躍した詩人・西条八十のパリで眺めた光景、これに才人橋本国彦がシャンソンとも何とも言い難いお洒落なメロディーを付けた曲です。
「お菓子の好きな巴里(パリ)娘」と、冒頭からもの憂げな旋律はフランスの春の息吹きか喜びか?歌詞に「ボンジュール」とフランス語が入るのも、日本の歌に英語のサビを入れるサザンオールスターズや氷室京介の大先輩として微笑ましいです。光景は街中で人目憚らずエクレアを食べている娘の感覚に驚いている(うーん現代的...『近頃の若いもんは...』ですね)だけの話ですが、何故か忘れ難い作品ではあります。
橋本国彦という人は私の聴いたところ、聴いてそれと分かる癖がなく、詩に合わせてどのような雰囲気の曲でも書くことができた人のように見受けられますが、サン・サーンスよろしく、その曲のすべてが高いクオリティを示しているのはさすがです。
橋本国彦歌曲集は何枚かCDで出ていると思いますが、私の聴いたのは藍川由美さんのやつで、結構渋い選曲です。このお菓子と娘は割とかっちりと歌われていて私には非常に好ましいですが、日本の抒情歌の伝道師、鮫島由美子さんのCDも夫君ドイチュ氏の好演も相俟ってもの憂げな感じの良く出た名演奏だと思います。できれば両方聴き比べて見てください。
2002.01.02 藤井 宏行

ネットでいろいろ調べていると、橋本国彦には「モダン日本の歌」という珍曲が存在することを見つけました(昭和7年 歌:小林千代子)。SPレコードを一生懸命探せば聴くことはできるのだと思いますが、「まわるまわるよ世界はまわる、まわりまわってボンジュール」という歌詞を見るにつけ、これはぜひ聴いてみたいものだ、という衝動に駆られます。ほとんど「お菓子と娘」をコケにしているようなその作品、才人ハシモトにかかるとどんな曲になっているのか興味津々です。
(橋本国彦には「朝はどこからくるかしら」などの軽妙な国民歌謡の作品もありますから、きっと絶妙な仕掛けがあることでしょう)

もしお聴きになられたことのある方がいれば、ぜひ感想を教えてください。
2004.1.1追記

( 2004.01.01 藤井宏行 )


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