めだかごっこ |
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姉さん歩めば弟がついてく 弟歩めば姉さんついてく 溝の目高がおよういでる様に 日がな一日お家の中を 姉さん歩めば弟がついてく 弟歩めば姉さんついてく |
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若山牧水の詩に付けた童謡があるというのも何とも不思議な感じがするのですが、本居長世など、けっこう大御所がいくつか書いています。そんな中、詩も曲もひときわ不思議な感じがして面白いのがこの曲、「浜千鳥」や「叱られて」などの見事な童謡を書いた弘田龍太郎によるものです。
大正期の歌だと思うのですがこの曲、調性がなんというか不可解で、陽音階でもなければ陰音階でもなく、西洋音階でもないかなり音域の狭い単調なメロディをピアノと歌が掛け合いながら流れていきいつの間にかフッと終わってしまうというものです。前衛的な雰囲気さえ漂わせるこのような音楽が童謡であるという斬新さ。実は弘田龍太郎という人も只者ではないなということを思い知らせるのに十分でした。
( 2007.12.30 藤井宏行 )