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Good-bye    
 
さようなら  
    

詩: ホワイト=メルヴィル (George John Whyte-Melville,1821-1878) スコットランド
      

曲: トスティ (Francesco Paolo Tosti,1846-1916) イタリア   歌詞言語: 英語


Falling leaf,and fading tree,
Lines of white in a sullen sea,
Shadows rising on you and me:
The swallows are making them ready to fly,
Wheeling out on a windy sky...
Good-bye summer,Good-bye,Good-bye.

Hush,a voice from the far-away
“Listen and learn” it seems to say,
“All the tomorrows shall be as today”
The cord is frayed - the cruse is dry,
the link must break and the lamp must die...
Good-bye hope,Good-bye,Good-bye.

What are we waiting for? On my heart
Kiss me straight on the browsand part,
Again,again,my heart,my heart,
What are we waiting for,you and I?
A pleading look,a stifled cry...
Good-bye forever,Good-bye,Good-bye.

木の葉は落ち 木は色褪せ
陰気な海には白い波の筋
きみとぼくの上に影が立ち昇る
ツバメたちは今や飛び去ろうと
風吹く空の上を回っている...
さようなら 夏よ さようなら さようなら

静かに、声が遠くから
「聞いて、そして学んで」 声はそう言ってるようだ
「明日はいつでも今日と同じだってことを」
綱は擦り切れ 油壷は乾いているから
絆は切れるし 灯りは消えてしまうのだろう
さようなら 希望 さようなら さようなら

ぼくたちは何を待っているんだ? ぼくの胸の上で
今すぐに口づけして ぼくの額へと そして別れてくれ
今一度、今一度、愛しい人、愛しい人よ
ぼくたちは何を待っているんだ 君とぼくは?
懇願するような表情、息詰まるような泣き声
さようなら 永遠に さようなら さようなら


ばりばりのイタリアン歌曲作家という感じのするトスティは、実はイギリス王室の音楽教師などもしており、サーの称号ももらったほどイギリスとはなじみが深い作曲家でもありました。それもあってか結構な数の英語の詩に付けた歌曲を書いています。トスティ歌いの人たちの多くはあまり英語が得意そうな感じがしませんので、これら英語の歌はあまり歌われなかったり、あるいは歌われてもイタリア語の詞にされていたりと言った感じで、残念なことになかなかその本領に触れる機会がありません。
この歌もカレーラスが歌ったものがあるのと、あとはカナダ出身なので英語はお手の物なのでしょう。ベン・ヘップナーの歌を聴くことができましたがあとは(イタリア語訳はいくつか聴けましたが)寂しい限りです。
ただこのふたつがなかなか素晴らしい歌唱なので、まあ他が聴けなくても大きな不満はありません。
しみじみと歌うカレーラスの美声と、かたや英語のGood-byeの響きが管弦楽伴奏に溶け合ってとてもセクシーな英語ネイティブのヘップナーの歌、いずれも素敵です。
彼の“Good-bye”の流麗な響きを聴くにつけ、これはやはり私は英語で聴くべき歌だなあ、という感を強くします。

( 2007.12.30 藤井宏行 )


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