Kevät linnuille etelässä Op.11-1 |
南の国の春の鳥 |
Täält' etelästä sinne pohjolaan Jo kevätlinnut lentää laulamaan. On sydän heillä Suomen lapsillen Niin hellä,lämmin -- kyllä tunnen sen. Olette,linnut,täynnä lauluja, Suloa,rakkautta,sointuja Ja keväthenkeä -- ne kaikki,ne Myös lahjoittakaa Suomen lapsille. Ja lasten joukosta hän etsikää, Jok' uskollinen on ja ymmärtää. Hänelle tiukuttakaa erikseen Mun sydämmeni laulut sydämmeen. |
南の国から北の国へと向かい 春の鳥たちは歌いながら飛んでくる かれらの思いはスオミの子供たちに届く 本当にやさしく暖かく--ぼくはそう感じる お前たち 鳥よ 歌に溢れてる 優しさが 愛が ハーモニが そして春の息吹が--それらすべてを スオミの子供たちに届けておくれ ぼくはきみにお願いしたい 彼女を探してくれることを あの娘は誠実で 聡明なんだ 彼女には特別の歌を歌っておくれ ぼくの心をあの娘の心へ響かせておくれ |
フィンランドのメロディスト、オスカル・メリカントのとても素敵な春の歌です。
まるでシャンソンのように優美なメロディ、フィンランド語のやわらかい響きも生き生きとして、歌詞と共に実に印象深い歌になりました。短調のメロディで少し悲しげに歌われるのが少し不思議といえば不思議ですが、南の国からやってくる渡り鳥の姿を見ての春の喜びと、そして恋する人への届かぬ想いを歌っています。
バリトンのヒュンニネンの歌うメリカント歌曲集(Finlandia)、あるいはソプラノのマッティラの歌うフィンランド歌曲集(Ondine)などで聴くことができます。
「スオミ」といえばフィンランドの人々が自分の国を呼ぶときの言葉。わかりやすいように「フィンランドの」としても良かったのですけれども、やはりここでの歌の響きを聴くと無粋な「フィンランド(外国人が「さいはての地」と呼んでいる名)」を使うのは憚られましたのでちょっとこの言葉にこだわってみました。
( 2007.12.20 藤井宏行 )