Come tu mi fai rabbia Op.17-14 Il canzioniere |
あたし あんたにアッタマきちゃうわ 歌集 |
Come tu mi fai rabbia quando passi, ché ti metti a fischar le sonatine! Mia madre mi vien dietro a tutt'i passi, perché l'an messa su le sue vicine. Ma tu sei bello,ti voglio sposare: senza ti te,bellino,non ci posso stare! |
あたし あんたにアッタマきちゃうわ あんたが通りがかる時 ヘッタクソな口笛なんか吹いてるんだもん あたしのお母さんがね どこでもあたしについてきて見張っちゃうのよ だって近所のオバさんたちがウワサすんですもの だけどあんたハンサムだから、あたしケッコンしたいわあ あんたがいないとさあ、あたし、どうしていいかワカンナイのよ! |
お茶目に跳ね回るピアノ伴奏に乗って、何ともまあコケティッシュな歌が始まります。今や「マドンナの宝石」というオペラの間奏曲くらいでしか一般のクラシック音楽ファンには知られていないドイツ系イタリア人のヴォルフ=フェラーリですが、イタリア歌曲を歌う人にとっては比較的なじみのある名前でしょうか。彼はこの曲に限らず、魅力的なメロディを歌曲の世界ではたくさん書いています。
この曲は「イタリアの歌の本」と呼ばれる2巻26曲からなる彼の歌曲集の中の第一巻第8曲。この曲に限らず魅力的な詞と音楽にあふれています。
口笛のところでは直訳すると「ソナチネ」を吹いているとありますが、ここでは詞の感じに合わせて意訳しました。なんだか物凄くアタマの悪そうな感じになってしまいましたけれど、曲の雰囲気はわりとこんな風なので私にはそれほど違和感のない訳ができたつもりでおります。
( 2007.12.18 藤井宏行 )