Tvorchestvo Op.145-8 Sjuita na slova Mikelandzhelo Buonarroti |
創造 ミケランジェロの詩による組曲 |
Se'l mie rozzo martello i duri sassi forma d'uman aspetto or questo o quello, dal ministro,ch'el guida iscorgie e tiello, prendendo il moto,va con gli altrui passi: Ma quel divin,ch'in ciela alberga e stassi, altri,e sè più,col proprio andar fa bello; e se nessun martel senza martello si può far,da quel vivo ogni altro fassi. E perchè 'l colpo è di valor più pieno quant' alza più se stesso alla fucina, sopra 'l mie,questo al ciel n'è gito a volo. Onde a me non finito verrà meno, s' or non gli dà la fabbrica divina aiuto a farlo,c' al mondo era solo. |
私がごつごつしたハンマーで硬い岩より あれやこれやと人間の姿を形作るとき マイスターから、導かれ、見守られ、支えられて 動かし続けるのだ、全く別人のようなペースで だがこの神聖なハンマーは 天上世界に存在し 自らの働きのみで美を形作る そしていかなるハンマーも別のハンマーによってしか作られないように そのようにこの生けるハンマーがあらゆるものを生み出すのだ かくして石を打つ私に渾身の力がみなぎるのだ 作業場でそれを高く振り上げれば振り上げるほど 私自身を超えて、天高く飛翔するほどに それゆえに私は仕事を終えられることはなかったであろう 聖なる職人がもし手助けをしてくれなかったならば 作り上げることの手助けを、この世にたったひとつしかない作品を |
これは彫刻家ミケランジェロの姿を生々しくも描写した歌となりました。そこかしこに聴こえるピアノの激しい打鍵(管弦楽版では打楽器群が大活躍します)は岩を削るハンマーの音でしょうか。非常に鮮烈な印象を聴き手に与えてくれます。
私が作っているのではない、神の手に導かれてハンマーが動き、美しきものが生み出されるのだと歌われます。
これは1547年の詩、彼の老年期に生まれたロマンスの相手であるヴィットリア・コロンナ(1492-1547)に捧げたたくさんのソネットの中のひとつです。調べきれませんでしたがもしかすると彼女が亡くなったあとの悲しみの中で彼女に向けて書かれたものかも知れません。
( 2007.12.16 藤井宏行 )