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Norden   Op.90-1  
  6 Laulut
北国  
     6つの歌

詩: ルーネベリ (Johan Ludvig Runeberg,1804-1877) フィンランド
    Lyriska dikter II 27 Norden

曲: シベリウス (Jan Sibelius,1865-1957) フィンランド   歌詞言語: スウェーデン語


Löfven de falla,
Sjöarna frysa...
Flyttande svaner,
Seglen,o seglen
Sorgsna till södern,
Söken dess nödspis,
Längtande åter;
Plöjen dess sjöar,
Saknande våra!
Då skall ett öga
Se er från palmens
Skugga och tala:
“Tynande svaner,
Hvilken förtrollning
Hvilar på norden?
Den som från södern
Längtar,hans längtan
Söker en himmel.”

木の葉は散り
湖は凍りゆく
去り行く白鳥たちは
滑り行く ああ滑り行く
悲しげに南の国へと
餌場を探して
名残惜しそうに戻ってきて
湖を掘り返して探す
失われたわれわれのものを
そこにひとつの目が
棕櫚の木の影から
みつめ、そしてこう言う
「やつれた白鳥よ
いかなる魔法のもと
お前は北国にとどまるのだ?
南からやってくる者は
あこがれているのか
天国を!」


シベリウス最後の歌曲集は再びルネベルイの詩のみによって書かれています。その中でもこの冒頭の歌は北欧の厳しい冬の到来を告げるかのような寂しくも美しい歌として非常に印象的です。残念ながら詩の意味が難しくてよく掴めなかったのですが、こんな厳しい冬が来てもなかなか南に去ろうとしない白鳥たちに向かって、そんなにこの北国は素晴らしいところなのか?と自問しているのであろうか、と私は解釈しました。
これはヒュンニネンやクラウゼの歌う素晴らしい録音があります。

( 2007.12.08 藤井宏行 )


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