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一休さん    
 
 
    

詩: 若杉雄三郎 (Wakasugi Yuuzaburou,1903-1955) 日本
      

曲: 中山晋平 (Nakayama Shinpei,1887-1952) 日本   歌詞言語: 日本語


一休さん 一休さん
この橋わたっちゃ いけません
なぜなぜわたってきたのです
いえいえ 橋はわたりません
まん中とおってきましたよ

なるほど なるほど
これはまいった しくじった
アハハッハハ オッホホホ


一休さん 一休さん
お膳にでてくる お吸いもの
おふたのまんまで めしあがれ
おやおや おつゆが冷えました
おふたを取らずにかえとくれ

なるほど なるほど
これはまいった しくじった
アハハッハハ オッホホホ


一休さん 一休さん
びょうぶに描いた あの虎を
しばってください この縄で
はいはい どなたか追い出せば
わたしがとらえてしばりましょう

なるほど なるほど
これはまいった しくじった
アハハッハハ オッホホホ



私はまだ中山晋平という作曲家の作品の全貌が捉えきれておりません。童謡から流行歌、そして新民謡と彼の幅広い作品分野を調べるたびごとにいつもいつも興味深い作品に出くわすのですが、今回もそんな1曲。歌としてはあんまり切れ味鋭い作品でもないので彼の童謡としてはそれほどポピュラーではないですが、間の抜けた「アハハッハハ オッホホホ」の笑い声が一度聴いたら私は耳にこびりついて離れなくなりました。こんな童謡があったということだけでも感動ものですが、これが音になって聴けるというのもまた素晴らしい...
しかも駅売りの500円CDの「昔話童謡集」という中で気の抜けたような児童合唱団の歌で聞くことができたのがほんとうにこの歌らしいといいますか...(ですが今手元にはありませんのでどの児童合唱団の歌だかも調べることができません。済みません)

詞の内容は一休さんの有名なエピソードですので特に解説は不要でしょうか。この脱力感はある種の癒し系とさえいえます。作詞者の若杉雄三郎は昭和10〜30年代に活躍していた人で、歌謡曲の作詞だけでなく、結構な数の洋物の歌える訳詞なども手がけています。

( 2007.12.08 藤井宏行 )


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