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Gentle Annie    
 
やさしかったアニー  
    

詩: フォスター (Stephen Collins Foster,1826-1864) アメリカ
      

曲: フォスター (Stephen Collins Foster,1826-1864) アメリカ   歌詞言語: 英語


Thou wilt come no more,gentle Annie,
Like a flower they spirit did depart;
Thou are gone,alas! like the many
That have bloomed in the summer of my heart.

(chorus)
Shall we never more behold thee;
Never hear thy winning voice again
When the Spring time comes,gentle Annie,
When the wild flowers are scattered o'er the plain?


We have roamed and loved mid the bowers
When thy downy cheeks were in their bloom;
Now I stand alone mid the flowers
While they mingle their perfumes o'er thy tomb.

(chorus)
Shall we never more behold thee;
Never hear thy winning voice again
When the Spring time comes,gentle Annie,
When the wild flowers are scattered o'er the plain?


Ah! the hours grow sad while I ponder
Near the silent spot where thou are laid,
And my heart bows down when I wander
By the streams and the meadows were we strayed.

(chorus)
Shall we never more behold thee;
Never hear thy winning voice again
When the Spring time comes,gentle Annie,
When the wild flowers are scattered o'er the plain?


君はもうやってこない、やさしかったアニー
人々が枯らしてしまった花のように
君は逝ってしまった、ああ!まるで数多くの
ぼくの心の夏の中に咲いていた花のように

(コーラス)
ぼくらはきみをもう二度と見ることはないのか
きみの素敵な声を聞くこともないのかい
春がまたやってきて、やさしかったアニー
野原に花がまた咲き乱れても?


ぼくたちは茂みの中を歩き回り愛し合った
きみの頬は花のようにみずみずしかった
今ぼくは花の中にひとり立つ
きみのお墓のまわりの花の香りに浸っている

(コーラス)
ぼくらはきみをもう二度と見ることはないのか
きみの素敵な声を聞くこともないのかい
春がまたやってきて、やさしかったアニー
野原に花がまた咲き乱れても?


ああ!どんどん悲しくなる ぼくが思いに耽るとき
きみが横たわっているこの静かな場所で
そしてぼくの心は沈む ぼくがそぞろ歩くとき
かつてぼくらが歩いた小川や野原を

(コーラス)
ぼくらはきみをもう二度と見ることはないのか
きみの素敵な声を聞くこともないのかい
春がまたやってきて、やさしかったアニー
野原に花がまた咲き乱れても?


1856年はフォスターにとってはスランプの年だったのでしょうか。次にご紹介する「The White House Chair」なんて奇妙な曲もあるにはありますが、実質発表されたのはこの曲一曲だけと言っても良いくらい寂しい年です。
この曲も「アニーローリーに似ているあまり上出来とは言えない曲だ」なんて悪口(出典は失念)を言われたりもする不幸な曲なのですが(確かに雰囲気は似ていなくもないですけれども)、非常に美しくも悲しい詩と音楽です。馬車に轢かれる事故で死んでしまった知り合いの少女アニーのことを悼んで書いたとされる曲なのですが、そんなエピソードを知らなくても大変に感動的。亡くしてしまった大切な人に寄せる想いをこれほどまでに切々と歌っているのを聴くと本当にしんみりとしてしまいます。
これはぜひともトマス・ハンプソンの歌(EMI)で。彼のフォスターの歌はどれも素晴らしいですが、私はとりわけこの歌には感動しました。

( 2007.11.30 藤井宏行 )


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