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Ave Maria   CG. 89a  
 
アヴェ・マリア  
    

詩: ラマルティーヌ (Alphonse Marie Louis de Lamartine,1790-1869) フランス
      Ave Maria

曲: グノー (Charles Gounod,1818-1893) フランス   歌詞言語: フランス語


Ave Maria,toi qui fus mère sur cette terre,
Tu souffris comme nous;
Tu partageas nos chaînes,allége nos peines;
Vois,nous sommes tous,
Nous sommes tous a tes genoux.
Sainte Maria,Sainte Maria,Maria,
Viens sécher nos larmes,viens sécher nos larmes,
Dans nos alarmes implore,implore ton fils pour nous.
Amen.




Ave Maria,gratia plena,
Dominus tecum,
benedicta tu
in mulieribus,
et benedictus
fructus ventris tui Jesus.
Sancta Maria Sancta Maria,Maria,
ora pro nobis peccatoribus,
nunc,et in hora in hora mortis nostrae.
Amen.
Amen.


アヴェ・マリア、御身はこの地上にて母なりしとき
われらのごとく苦しみ給えり
われらと鎖を共に受け、われらの苦痛を和らげ給えり
御身よ、われらは御身を求めたり
われら御身の膝にあることを求めたり
聖母マリア様、聖母マリア様、マリア様
われらが涙を乾かし給え、われらが涙を乾かし給え
われら恐れの中で求めたり、求めたり御身が御子のわれらと共にあるを
アーメン


(ラテン語詞のバージョン 典礼文より 2011年12月追記)

アヴェ・マリア 慈しみあふれるお方
主は御身と共にあり
祝福されているのです 御身は
女性たちの中にあって
そして祝福されています
その胎内に実りしイエス様も
聖なるマリア様 聖なるマリア様 マリア様
お祈りくださいませ われら罪人のために
今も そしてかの時 われらが死を迎える時にも
アーメン
アーメン


フランス歌曲の礎を築いたと言われ、実際素晴らしい歌曲をいくつも書いているシャルル・グノーの一番有名な歌曲作品がこの曲だというのも実に皮肉なことです。ご存知の通りこの曲はバッハの「平均律クラヴィア曲集」の第1巻、第1曲の大変良く知られたメロディを伴奏にして歌がつけられたものです。1852年に書かれた元々は器楽曲だったようですが、ラテン語の典礼文が乗せられて歌えるようになっており、更に1859年には当時のフランス・ロマン派の大詩人アルフォンス・ド・ラマルティーヌの書いた歌詞が付けられて出版されています。ということでこの曲、歌われる時にはラテン語のこともあればフランス語のこともあるのですね。今まであまり注意して聴いてはいなかったのですが、一般的に良く演奏されるのはラテン語ヴァージョンの方が多いような気もします。

ラテン語ヴァージョンの方はネットを探して頂ければ翻訳も解説も溢れかえっておりますので、ここではラマルティーヌの書いた方の詩をご紹介いたします。内容は祈りの言葉ですからあまりラテン語の典礼から逸脱することも許されず、それほどびっくりするようなことはないですけれども、歌にしたときに響きの良い言葉を選んで非常に美しい詩にしている詩人の力はさすがだと思いました。
(2007.11.23)

今年のクリスマスシーズン、いろいろとラテン語の歌曲を取り上げましたので、この曲のラテン語詞も取り上げておくことにしました。歌われるのも圧倒的にこちらの方が多いようですので。
なお、Ave Mariaの原詩では、Sancta Maria, Mater Dei(聖なるマリア様 神の御母よ)となるところ、グノーはSanta Mariaを2回繰り返し、さらに最後にMariaをもう一回入れる変更をしています。お聴き頂ければお分かりのようにこの詩の変更は実に効果的に思えます。

( 2011.12.24 藤井宏行 )


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