Chant d'amour |
愛の歌 |
Viens,cherchons cette ombre propice, Jusqu'à l'heure où de ce séjour Les fleurs fermeront leur calice Aux regards languissants du jour. Voilà ton ciel,ô mon étoile! Soulève,soulève ce voile, Éclaire la nuit de ces lieux; Parle,chante,rêve,soupire, Pourvu que mon regard attire Un regard errant de tes yeux. Laisse-moi parsemer de roses La tendre mousse où tu t'assieds, Et près du lit où tu reposes Laisse-moi m'asseoir à tes pieds. Heureux le gazon que tu foules, Et le bouton dont tu déroules Sous tes doigts les fraîches couleurs! Heureuses ces coupes vermeilles Que pressent tes lèvres,pareilles Aux frelons qui tètent les fleurs! Souviens-toi de l'heure bénie Où les dieux,d'une tendre main, Te répandirent sur ma vie Comme l'ombre sur la chemin. Depuis cette heure fortunée, Ma vie à ta vie enchaînée, Qui s'écoute comme un seul jour, Est une coupe toujours pleine, Où mes lèvres à longue haleine Puisent l'innocence et l'amour. |
おいでよ、素敵な木陰を探すんだ、 そしてそこに時がくるまで居ようよ 花がその花びらを閉じる時まで 沈む太陽の悩ましげな眼差しを受けて ほらそこだよ 君の空は、おおぼくの星よ! 持ち上げて、持ち上げてよそのヴェールを そこから夜を照らしておくれよ 話して、歌って、夢を見て、ため息ついて、 ぼくの眼差しが魅了できればいいなあ きみの瞳の揺れる眼差しを ぼくにバラの花を撒かせてくれよ きみの腰掛ける柔らかい苔の上に そしてきみの安らぐベッドのそば きみの足許に座らせておくれよ きみの踏みつぶす芝生は幸せさ そしてきみが解き開くつぼみも幸せ きみの指の指の下であざやかな色をしてる! この真紅の盃も幸せだ きみのくちびるに触れられるのだから、ちょうど 花の蜜を吸うミツバチたちみたいに あの素晴らしい時を思い出しておくれ その時神様たちは、穏やかな手で きみをぼくの人生の上に降らせたんだ まるで小道に伸びた影みたいに この満ち足りた時以来 ぼくの人生はきみの人生と繋がれて たった一日でしかないように流れ去った 永遠に満たされた盃から ぼくの唇が長い吐息で この純真さと愛を汲みつくしているのだろうか |
ロマンティックな恋歌です。詩のラマルティーヌはヴィクトル・ユゴーと同時代の人で、ロマン派の大詩人として知られた人ですが、グノーやビゼーの時代には多くの歌曲にその詩がなっているものの、ユゴーやゴーティエのようには後世の作曲家たちの食指を動かさせなかったのが非常に興味深いところ。やはりこんな大時代的な言い回しは時代が新しくなると流行らなくなるのかなあ、などと思いながら訳してみました。ちと稚拙な感じになってしまったのは訳者の力不足もありますが、この詩の醸し出す雰囲気もこんな感じに私には思われたからです。
ビゼーがこの曲を書いたのは「カルメン」を書く直前の1872年頃ですので晩年の作品になります。情熱的な歌詞ではありますが、音楽はひたすら流麗に、爽やかに歌われます。
チェチーリア・バルトリの情熱あふれる歌もありますが、私はブルーノ・ラプラントの端正なバリトンの歌う方がしっくりきます。
( 2007.11.22 藤井宏行 )