TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ


世界唱歌(上)    
 
 
    

詩: 与謝野寛 (Yosano Hiroshi,1873-1935) 日本
      

曲: 奥好義 (Oku Yoshiisa,1858-1933) 日本   歌詞言語: 日本語


世界に多き國國の
 人の風俗(ならはし)世の姿
異る節をみきはめて
 やがて御國の土産(つと)にせん

陸(くが)に蜘蛛手の汽車のみち
 海に汽船のたよりさへ
思ひの儘の大御代に
 憂きこと知らぬ今日の旅

波止場に立ちて見渡せば
 横濱港(みなと)波しづか
見送る友をあとにして
 端舟(はしけ)の綱は解かれたり

(中略)

コロンブス氏にちなみある
 ゼノアを過ぎて行く北は
雪を戴くアルプスの
 峯うちこえて瑞西(スイツツル)

山また山にかこまれて
 土地はまことに狭けれど
いそしむ民が心こそ
 時計の針とあらはるれ

山の姿も秀でつつ
 水の心もすみたれば
ゼ子バの岸に立つ人は
 歸(かへる)さ忘れて遊ぶなり



汽車の旅(国内旅行)とならんで同じ与謝野・奥コンビの世界の旅 横浜港を船出してホノルル→サンフランシスコ→メキシコから南米最南端まわりでリオ・デ・ジャネイロ→再び北米に戻りワシントン&フィラデルフィア&ニューヨーク&ボストン→シカゴ&ナイヤガラ→なぜかオマハ→オグデン&ソルトレーク→サクラメント→サンフランシスコと合衆国を横断して戻り、シアトル→バンクーバー→オタワ&ケベック&セントジョンと今度はカナダ横断→大西洋を越えてアイルランドへ→リバープル→ロンドン→ベルギー→オランダ→プロシャ(ベルリン)→デンマーク→ノルウェー→フィンランド→サンクトペテルブルグ→モスクワ→オデッサ→黒海からドナウ川を遡ってウィーン→トルコ→イタリア(ローマ&ジェノバ)→スイスアルプスへといたるところで(上)巻は終わります。できるだけ色々回ろうと相当に複雑なコース選択が興味深い ここまでで79節の膨大な歌詞です。興味がお有りの方は国会図書館アーカイブをご覧ください。

( 2021.06.20 藤井宏行 )


TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ