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夜ふる雪    
 
 
    

詩: 北原白秋 (Kitahara Hakusyuu,1885-1942) 日本
    東京景物詩(1913)  

曲: 高木東六 (Takagi Touroku,1904-2006) 日本   歌詞言語: 日本語


蛇目の傘にふる雪は
むらさきうすくふりしきる

空を仰げば松の葉に
忍びがえしにふりしきる

酒に酔うたる足もとの
薄い光にふりしきる

拍子木をうつはね幕の
遠いこころにふりしきる

思ひなしかは知らねども
見えぬあなたもふりしきる

河岸の夜ふけにふる雪は
蛇目の傘にふりしきる

水の面にその陰影(かげ)に
むらさき薄くふりしきる

酒に酔うたる足もとの
弱い涙にふりしきる

声もせぬ夜のくらやみを
ひとり通ればふりしきる

思ひなしかはしらねども
こころ細かにふりしきる

蛇目の傘にふる雪は
むらさき薄くふりしきる



( 2021.06.01 藤井宏行 )


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