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J'ai presque peur,. en vérité   Op.61  
  La bonne chanson
ぼくはほとんど怯えていた、実のところ  
     優しい歌

詩: ヴェルレーヌ (Paul Verlaine,1844-1896) フランス
    La bonne chanson 15 J'ai presque peur,en vérité

曲: フォーレ (Gabriel Fauré,1845-1924) フランス   歌詞言語: フランス語


J'ai presque peur,. en vérité,
Tant je sens ma vie,enlacée
À la radieuse pensée
Qui m'a pris l'âme l'autre été,

Tant votre image,à jamais chère,
Habite en ce cœur tout à vous,
Mon cœur uniquement jaloux
De vous aimer et de vous plaire ;

Et je tremble,pardonnez-moi
D'aussi franchement vous le dire,
À penser qu'un mot,un sourire
De vous est désormais ma loi,

Et qu'il vous suffirait d'un geste,
D'une parole ou d'un clin d'oeil,
Pour mettre tout mon être en deuil
De son illusion céleste.

Mais plutôt je ne veux vous voir,
L'avenir dut-il m'être sombre
Et fécond en peines sans nombre,
Qu'à travers un immense espoir,

Plongé dans ce bonheur suprême
De me dire encore et toujours,
En dépit des mornes retours,
Que je vous aime,que je t'aime !

ぼくはほとんど怯えていた、実のところ
ぼくの人生が溶けていくことを感じるから
とても輝かしいひとつの思いの中に
それはある夏にぼくの魂を捉えたんだ

あなたの姿、永遠に愛しい姿が
ぼくの心の中に立ち現れ
心はひたすらに執着する
あなたを愛し またあなたを喜ばせることを

そしてぼくは震える、許しておくれよ
思ったことをそのまま言うのを
あなたの一言が、微笑が
これからはぼくを支配するのだと考えると

そしてあなたのしぐさだけで
言葉や まばたきひとつだけで
ぼくの全存在を悲しみの底へと突き落とすことを考えると
この天国の中にいるような幻から

でもぼくはあえてあなたを見ようとは思わないのだ
たとえ未来がぼくにとっては暗く
そして数限りない悲しみに満ちていようとも
この大きな希望を通さずしては

この無上の幸福感に浸りながら
いつも いつまでも自分に語り続ける
返ってくるのがたとえ陰鬱な答であろうとも
「ぼくはあなたが好きだ! ほくはお前が好きだ!」と


初めての恋に対するおびえ、そして相手の反応によって天国から地獄へと突き落とされるかもしれない不安感が満ち溢れ、おそろしく速いテンポで一気に駆け抜けていきます。ピアノの間奏には第一曲のテーマのメロディがこちらも不安げにアレンジされて繰り返し繰り返し顔を出し、恋人のことをひたすら思い続けるかのよう。
そして最後は意を決したようにテンポがゆっくりとなって愛の言葉を叫んで終わります。ここで1回目はVousで「あなたを」そして再び叫ぶ時にはtuで「お前を」になるところがひとつの注目点ですね。ヴェルレーヌの原詩(これは詩集の15番目の詩です)やフォーレの歌曲集ではその前後での使い分けは必ずしも徹底されてはいないのですが、私が訳すにあたってはこの前の4曲では「あなた」を、この後の4曲では「お前」というように使い分けてみました。

( 2007.11.09 藤井宏行 )


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