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Jag längtar dig   Op.28-5  
  Sju dikter av Ernest Thiel
ぼくはきみにあこがれる  
     エルネスト・チールの7つの詩

詩: チール (Ernest Thiel,1859-1947) スウェーデン
      

曲: アルヴェーン (Hugo Emil Alfvén,1872-1960) スウェーデン   歌詞言語: スウェーデン語


Jag längtar dig. Jag längtar ditt rike.
Jag längtar mest då du är när.
Jag längtar alltid till ditt skönhets rike,
Jag längtar dit,när jag är där.


ぼくはきみにあこがれる きみの王国にあこがれる
ぼくはきみがそばにいる以上のことにあこがれる
ぼくはいつでもきみの美しき王国にあこがれる
ぼくはそこにあこがれる、たとえそこに今いるときでさえも



アルヴェーンという作曲家は日本では「スウェーデン狂詩曲第1番 夏至の徹夜祭」でしか知られていないかも知れませんが、故国スウェーデンでは大作曲家のひとりとして非常に著名です。また「スウェーデン狂詩曲」の醸し出すようなローカルな民族情緒よりは、そのとことんロマンティックな音楽にこそその本質的な魅力があるように私には思えます。
その点からすると、こんなラブソングにこそ彼の一番の魅力が詰まっているということは間違いなく言えるのではないでしょうか。以前ご紹介した彼の歌曲の代表作とも言える「私のハートを手に取って」(残念ながら著作権のために詩を全部はご紹介できませんでしたが)も彼が70歳のときに2番目の妻に捧げた歌なのだそうですが、そのメロメロな美しさには痺れます。
このエルネスト・チール(1859-1947)の詩に付けた歌曲は比較的若い時の作品のようですが、こちらもまた濃厚なラブソング。比較的彼の歌曲では良く取り上げられます。

詩の感じはグリーグの有名な「君を愛す Jeg elsker Dig」を思わせますが、あの熱烈さよりもアルヴェーンの音楽は更に輪をかけた感じ。グリーグのものがシューベルト風で、アルヴェーンのものはシューマン風とでも言えば多少は当たっているでしょうか。それくらい濃厚な歌曲を書く人なのです。
男女ともに良く歌われるようですが、この一途さはテノールが歌うと味があるように私には感じられました。

( 2007.11.03 藤井宏行 )


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