海浜独唱 |
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ひとりあつき涙をたれ 海のなぎさにうづくまる なにゆゑの涙ぞ青き波のむれ よせきたりわが額をぬらす みよや濡れたる砂にうつり出づ わがみじめなる影をいだき去り 抱きさる波 哀しき波 このながき渚にあるはわれひとり ああわれのみひとり 海の青きに流れ入るごとし |
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NHK 音楽の広場は芥川が司会をして全国を回っておりました。金沢に訪れた1980年に混声合唱とオーケストラのために書かれたのがこの曲です。重厚で美しい曲ですが、ほとんど忘れ去られてしまっているようですね。同じ番組で紹介された「ここは瀬戸内」や「生きている国」同様、芥川の重要な一連の作品として多くの人の記憶に留めて欲しいものです。
( 2021.05.21 藤井宏行 )