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Böljeby-vals    
  Fridolins lustgård
ボリェビのワルツ  
     フリードリンの庭

詩: カールフェルト (Erik Axel Karlfeldt,1864-1931) スウェーデン
      

曲: ペッタション=ベリエル (Olof Wilhelm Peterson-Berger,1867-1942) スウェーデン   歌詞言語: スウェーデン語


Sjung,sjung i arlarna,
flygande storm,du kämpars vän,
sjung,sjung i salarna;
glimmande höstlöv fara.
Stolt under ekarna
prunkar en senad skara än,
trofast i lekarna,
trofast i storm och fara.

Fast,fast mot rockarna
slå dessa bröst som stormen spänt,
lugnt under lockarna
trotsiga blickar fara.
Än från altanerna,
där sina lyktor vildvin tändt,
ler mot kompanerna
kvinnornas unga skara.

Snart,snart på planerna
möter jag dig som ingen vet.
Starkt som orkanerna
känslornas vindar fara.
Går du i tågande
skyarnas svalka röd och het?
Ord har jag lågande,
länge jag måst dem spara.

Sol,sol,i ekarna
tänd nu till balen höstens bloss!
Mörkt brinna vekarna;
dånande vågor fara.
Våren den susande,
har inga visor mer för oss.
Livet är brusande,
stormsång och stormdans bara.

歌え、歌え、朝早くに
飛ぶ大嵐よ 戦士たちの友よ
歌え、歌え、この広場で
きらめく秋の木の葉が舞うよ
オークの木の下で堂々と
時代遅れの軍隊が演習を行う
競技に忠実に
嵐と危険に忠実に

外套にきつく、きつく
嵐に引き締められた胸が当たる
巻き毛の下では冷ややかに
挑むような目が光る
そしてバルコニーからは
アメリカ蔦が灯をともし
軍隊に向かって
若いご婦人の集団が笑いかける

もうすぐ、もうすぐ野原で
私はだれも知らないあなたと出会う
大嵐のように激しく
感情の嵐が吹きすさぶ
あなたは行進する雲の冷気に包まれて
赤く燃え、熱く進んでいくのか
私の言葉は燃えるように熱い
こんなに長い間言わずにいたから

オークの木立の太陽よ 太陽よ
祭のために秋のたいまつを灯せ
灯の心は薄暗く燃える
逆巻く波が押し寄せる
溜息をつく春はもはや
私たちのための歌を持ってはいない
人生は騒がしい
嵐の歌とダンスでしかない


一聴してとても印象的で、すぐメロディを覚えてしまうような強烈な歌です。秋の吹きすさぶ嵐の中で、いかにも幻想的な情景が次々とめくるめくように現れ、そして消えていく...
エリック・カールフェルトの詩も鮮烈ですが、とても踊れないくらい速いテンポで駆け抜けていき、そして消えていくこのワルツの美しいこと。ペッタション=ベリエルの作品の中でも屈指の傑作ではないかと私は思います。
1931年にはノーベル文学賞を取っているスウェーデンの詩人カールフェルトの詩集「フリードリンの庭」より取られたこの詩、同じ題名を持つ歌曲集の第4曲としてこんな風に取り上げられています。「ボリェビ」というのは何だろう、と調べてみましたが見つけられず。ただこの「フリードリン」というのが詩人の心象風景を表す架空の場所のようなので、こちらもおそらく架空の地名なのではないかと思います。ちなみに第5曲には「アスポケルのポルスカ」というのもあり、このアスポケルというのが同様に謎の言葉です。
フォン=オッターの歌うスウェーデン歌曲集に収録された録音が比較的入手しやすくまた絶妙な歌唱ではありますが、私はこの歌は男声の方が良く似合うと思います。Vangurdレーベルにあるフレデリクソンのバリトンの歌がとても味わい深かったのですが入手は難しいでしょうか。

( 2007.10.12 藤井宏行 )


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