Tchaikovsky And Other Russians Lady in the dark |
チャイコフスキーとその他のロシア人 暗闇の中の女 |
詩:著作権のため掲載できません。ご了承ください
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TRERE IS マーレチョフスキー ルービンシュタイン アレンスキーandチャイコフスキー サペルニコフ ドミトリエフ チェレプニン クリヤノフスキー ゴドフスキー...(以下著作権のこともあり略します・聞き取れなかったこともありますが...) |
いきなりチャイコフスキーの悲愴交響曲の第3楽章スケルツォ、ブラスのファンファーレが高鳴ったかと思うと、恐ろしい早口でロシア人音楽家(ロシアでない人も何人か混じっているようですが)の名前がまくし立てられます。初演時にこの歌を歌い、このおかげでコメディアンとしての道が開けたというダニイ・ケイの歌は圧巻。わずか1分たらずのうちに50人の名前を一気に駆け抜けます。
1941年のブロードウエイミュージカル「Lady in the dark」のナンバー、日本でも何故か安寿ミラと田中健らの出演で1996年に上演されたことがあるのだそうですが、「マイ・シップ」や「ジェニーの伝説」など音楽は名曲揃いでもストーリーはなんとも分かりにくく(キャリア女性の不安神経症と精神分析による幻想の世界ということで非常に現代的なテーマではありますが)、こういうブチ切れた歌も出てくることからもあまり俗受けはしそうもない作品ではあります。私も残念ながら舞台を見たことはライブでも映像でもありません。ついでに言えばこのタイトルの「Lady in the dark」、日本語で「闇の女」と訳されているのをよく見かけますがこれはやめて欲しいです。妖怪変化やマフィアの女親分じゃないんですからせめて「暗闇の中の女」に。
こういう詞って著作権はどうなるのだろう?と思わなくもありませんが、名前の順序などに著しい創作性が認められる、ということでしょうかね。ということで原詩のUPはやめておきます。
ぜひ私がしたようにがんばってまずはリスニングの練習を。それでもだめなら実は英語のWikipediaにはこの歌で出てくる作曲家の一覧がありますのでこっそりとカンニングしてみてください。CBSのHeritageシリーズで紙ジャケットのシリーズの「Lady in the dark」のブロードウエイ復刻盤が出ていてこのダニイ・ケイの至芸を堪能できます。入手しやすく廉価ということからするとつい最近Naxos Nostargiaから出たワイルの作品集もあります。こちらのダニイ・ケイの歌はCBS盤ほど鬼気迫る歌ではないですが、同時に収録されているクルト・ワイル自身が歌う有名なミュージカルナンバー「Speak low」が何とも味があっていいので、こちらも機会があればどうぞ。
グリンカもムソルグスキーもラフマニノフも、さらにはプロコフィエフもショスタコーヴィチもスクリャービンもみんな歌の中に出てきます。さああなたはいったい何人聞き取れるか???
( 2007.10.12 藤井宏行 )