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Soluppgång   Op.37-3  
  5 Laulut
日の出  
     5つの歌

詩: ヘドベリ (Tor Hedberg,1862-1931) スウェーデン
      

曲: シベリウス (Jan Sibelius,1865-1957) フィンランド   歌詞言語: スウェーデン語


Under himlens purpurbrand
Ligga tysta sjö och land,
Det är gryningsstunden.
Snöig gren och frostvit kvist
Tecka sig så segervisst
Mot den röda grunden.

Riddarn står vid fönsterkarm,
Lyssnar efter stridens larm,
Trampar golvets tilja.
Men en smal och snövit hand
Kyler milt hans pannas brand,
Böjer mjukt hans vilja.tenderly

Riddarn sätter horn till mun,
Blåser vilt I gryningsstund,
Över nejd som tiger.
Tonen klingar,klar och spröd,
Branden slocknar,gyllenröd,
Solen sakta stiger.

空の紫色の炎の下で
湖は静かに横たわる そして大地も
今は夜明けの時だ
大枝の冠雪や小枝の氷が
くっきりと浮かび上がってくる
赤く染まった大地の中から

騎士は窓辺に立ち
戦いの音を聴こうと
ゆっくりと歩き回る
だが小さな、雪のように白い手が
やさしく彼の熱い頭を冷やし
穏やかに彼の決意を変えさせる

騎士は角笛を口にあて
力強く吹き鳴らす この夜明けの時に
この静かな大地に向けて
音は鳴り渡る、澄んでつややかに
空の炎は静まり、黄金がかった赤に
太陽が静かに昇ってくる


有名曲ぞろいのOp.37にあってこの曲はあまり知られていませんが、今回訳してみて非常に美しい視覚的イメージを持つ詩にまず感動し、その上でシベリウスの曲を聴いたら痺れるほど素敵な歌曲でした。
最後の太陽が昇るところだけはちょっとサラッと流されて呆気ないのが残念ですが、それまでのところの間の取り方など実に見事で、詞の描き出すところを余すところなく音楽にしてくれているのです。
シベリウスも気に入っていたのか、自らこの曲はオーケストラ伴奏でもできるように編曲しており、これもいくつかの録音で聴くことができます。

( 2007.10.06 藤井宏行 )


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