銀座セレナーデ |
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詩:著作権のため掲載できません。ご了承ください
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戦争が終わってわずか1年、服部は目の覚めるような洋物の傑作を世に出しました。大空襲で壊滅的な打撃を受けた銀座ですが、この年には大復興祭も開かれてまたかつての賑わいを取り戻そうかというまさにその時。
やわらかなタンゴのリズムに乗せて、心憎いばかりのやさしいメロディが紡ぎ出されて行きます。服部の書いたタンゴのスタイルの曲の中では「黒いパイプ」と並んでの2大傑作と想います。藤山一郎の端正な歌声も実によくはまって素敵な歌になりました。藤山亡きあとカバーする人がほとんど居なくなって忘れられつつある歌ですが、それがとても惜しい名曲です。
今宵流れる メロディは
甘いほのかな セレナーデ
作曲者自身の書いた詩(「村雨まさを」名でクレジットされていますが服部本人です)も戦争の傷はまったく感じさせず、今に通じるしゃれたもの。少々英語の使い方に遊び過ぎを感じなくもないですが曲の抒情ととてもよく溶け合っています。
( 2021.04.23 藤井宏行 )