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Se'n har jag ej frågat mera   Op.17-1  
  7 Laulut
もはや私は尋ねなかった  
     7つの歌

詩: ルーネベリ (Johan Ludvig Runeberg,1804-1877) フィンランド
    Lyriska dikter II - Ett litet öde 10 Hvarför är så flyktig våren

曲: シベリウス (Jan Sibelius,1865-1957) フィンランド   歌詞言語: スウェーデン語


Hvarför är så flyktig våren,
Hvarför dröjer sommarn icke?
Så jag tänkte fordom ofta,
Frågte,utan svar,af mången.

Se'n den älskade mig svikit,
Se'n till köld hans värme blifvit,
All hans sommar blifvit vinter,
Se'n har jag ej frågat mera,
Känt blott djupt uti mitt sinne,
Att det sköna är förgängligt,
Att det ljufva icke dröjer.

どうしてそんなに春はすばやく過ぎ去るの
どうして夏はずっと続かないの
そんなことを私は昔、よく考えたもの
でも聞いてもむなしかった、多くの人々に

恋人が私を捨ててから
彼の暖かい気持ちが冷たくなってから
彼の夏はみな冬へと変わり
そのときから私は尋ねなくなった
私は今 心の底から感じている
美しさは色褪せやすいことを
喜びは長くは続かないことを


シベリウスの初期の作品であるOp.17の歌曲集も個性的な曲ばかりです。その第1曲はルネベルイの詩ばかりに曲を付けているひとつ前の歌曲集0p.13より引き続いて彼の詩につけた曲。いかにもルネベルイらしい恋する乙女の悩みを哲学的な深みにまで表現したものです。この曲、ルネベルイの詩のファンだったというブラームスが聴いて感激したという逸話が残っています。
聖歌のような厳粛な音楽で物静かに歌われますので、こんな破れた恋の悲しみを歌っているのだとは音だけ聴く分にはあまりピンときませんけれども、良く聴くと詩のイメージにとても合った歌だと思います。音楽もいかにもシベリウスといった風情。冬が長く厳しい北欧ならではの詩と音楽です。

( 2007.09.30 藤井宏行 )


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