泣くな若人 映画「真白き富士の根」 |
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ああ海原に風立ちて 白竜天に踊るとも 挙れ若人われら若人 意気は美わし真白き富士の根 ああ荒波を乗り越えて オールに腕は踊るとも 漕げよ若人われら若人 目指す希望は緑の島影 ああ潮飛沫蹴立てつつ 血潮もたぎる一刹那 担え若人われら若人 やがて輝く母校の栄冠 ああ勝敗も極まりて 涙に腕を濡らすとも 泣くな若人われら若人 海は懐し我等の父母(ちちはは) |
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相模湾で逗子開成中学の生徒12人がボートで海難に遭い全員死亡した事故(1910)。1935年に映画化されています。その主題歌はこの事故を追悼するために詞が書かれ、アメリカの讃美歌のメロディに乗せた「七里ヶ浜の哀歌」(原題は「哀歌」)でしたが、伊藤久男の歌う力強い挿入歌がこの悲劇を一層深いものにしています。佐藤惣之助の詞は万全ですが、まだ新進気鋭の作曲家だった明本の曲も悲壮感溢れてなかなかの聴きものです。
( 2021.02.06 藤井宏行 )