La lune blanche Op.61 La bonne chanson |
白い月 優しい歌 |
La lune blanche luit dans les bois. De chaque brahche part une voix sous la ramée. O bien aimée.... L'étang reflète, profond miroir, la silhouette du saule noir où le vent pleure. Rêvons,c'est l'heure. Un vaste et tendre apaisement semble descendre du firmament que l'astre irise. C'est l'heure exquise! |
白い月が森を照らし 枝々から その葉を伝って 囁きがもれる ああ、愛する人よ 深い鏡のように 池が映し出す 黒々とした柳の影を 風が泣いている・・・ 夢見よう、今この時 広々としたやすらぎが やさしく降りてくるようだ 月の光が虹色に染める 空の果てから 今、えもいわれぬこの時 |
ヴェルレーヌの詩によるフォーレの名作歌曲集『優しい歌』からの一曲です。『優しい歌』は誤訳で、「良き歌」「素晴らしい歌」が正しいともいわれます。歌唱は例によってモラーヌ、エルビヨン、スゼー。訳を考えながらフォーレではなくラフマニノフの前奏曲作品23の4を聴いていたのですが、これがまたこの詩にぴったりだと思いました。演奏はアシュケナージ。
( 2001.05.29 甲斐貴也 )