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南進男児の歌    
 
 
    

詩: 若杉雄三郎 (Wakasugi Yuuzaburou,1903-1955) 日本
      

曲: 古関裕而 (Koseki Yuji,1909-1989) 日本   歌詞言語: 日本語


君が剣の戦士なら
我は南の開拓士
共に明るい日本の
希望に燃える若き民
進めますらお我等こそ
南進日本の先駆者(さきがけ)だ

今ぞ男と生まれ来て
拓け南の陸と海
使命栄えある我が行く手
輝く南十字星
進めますらお我等こそ
南進日本の先駆者だ

赤道越えて今日も行く
祖国の歌よ日の丸よ
若き腕(かいな)に脈打つは
世紀に躍る血の調べ
進めますらお我等こそ
南進日本の先駆者だ



昭和15年頃から日本は資源を求めて東南アジア諸国へと侵略の手を広げていきました。泥沼化する中国での戦争がアメリカを怒らせて石油の禁輸へと繋がり、足りなくなった石油を得ようというのがその主な目的でしたが、それが結局アメリカとの戦争へと繋がって行きます。そんな大戦争瀬戸際の雰囲気はまだ庶民の間には感じられず、多くの人たちは国の版図が広がって行く爽快感を味わっていたのでしょう。そんな中昭和16年にコロムビア(霧島昇:歌)とビクター(楠木繁夫:歌)の2レーベルで競作となったこの歌はまさにこの南方へと進出していく日本の姿を歌にしています。
この昭和16年前後はこの曲だけでなく、「南進」ということばの付いた歌謡曲や映画もたくさん生み出され、国民の関心が非常に高かったことを物語っています。
明るく勇壮なこのメロディ、戦後は少しだけ姿を変えて、甲子園のテーマソング「あゝ栄冠は君に輝く」として生まれ変わっています。ぜひこの2曲を聴き比べてみてください。

( 2020.12.29 藤井宏行 )


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