| 物語 |  | 
| 私の読んでゐる長い長い恋の物語―― それがききたいのか 夜ふけの屋根へ鳥がきてとまつたやうだ 月の光にぬれながら静かに休んでゐるやうだ 私の読んでゐる長い長い罪の物語 それをきいてゐるのか 鳥の身もこんな夜頃は ぢつと頸をすくめて いつかしら苔のやうに泣いてゐるやうだ |  | 
( 2020.12.06 藤井宏行 )