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Musica proibita    
 
禁じられた音楽  
    

詩: フリック・フロック (Flick-Flock.,-) イタリア
      

曲: ガスタルドン (Stanislao Gastaldon,1861-1939) イタリア   歌詞言語: イタリア語


Ogni sera di sotto al mio balcone
Sento cantar una canzone d'amore,
Più volte la ripete un bel garzone
E battere mi sento forte il core.

Oh quanto è dolce quella melodia!
Oh com' è bella,quanto m' è gradita!

Ch'io la canti non vuol la mamma mia:
Vorrei saper perché me l'ha proibita?
Ella non c'è ed io la vo' cantare
La frase che m'ha fatto palpitare:


Vorrei baciare i toui capelli neri,
Le labbra tue e gli occhi tuoi severi,
Vorrei morir con te,angel di Dio,
O bella innamorata tesor mio.

Qui sotto il vidi ieri a passeggiare,
E lo sentiva al solito cantar:

Vorrei baciare i tuoi capelli neri,
Le labbra tue e gli occhi toui severi!
Stringimi,o cara,stringimi al tuo core,
Fammi provar l'ebbrezza dell'amor.

毎晩 私のバルコニーの下で
ラブソングが歌われているのが聞こえるわ
ハンサムな男の子が何度も繰り返して歌うと
私の心臓は思い切りドキドキするの

ああ、なんてステキなあのメロディ!
なんてキレイなの、あたし大好きよ!

でもこの歌をあたしのお母さんは歌わせてくれないの
どうしてダメなのかあたし知りたいわ
お母さんがいなかったら あたし歌っちゃうのに
あたしをドキドキさせるあのフレーズを


ぼくは君の黒髪にくちづけしたい
君のくちびるに そしてきりりとしたその瞳に
君となら死んでもいい 神様の天使よ
ああ 美しいぼくの宝物よ

昨日あの人が歩いていくのを見たわ
そしていつものように歌ってるのを聴いたの

ぼくは君の黒髪にくちづけしたい
君のくちびるに そしてきりりとしたその瞳に
抱きしめて ぼくを 愛しい人 抱きしめて 君の胸に
ぼくに感じさせてくれ 愛のときめきを


デル・モナコとかディ・ステファノといった強烈なイタリアのテノールに歌われているものばかりしか聴いたことがありませんので、私はこの歌、こんな歌詞であったとは思っても見ませんでした。恋するオトメの大胆な愛の歌...日本で言えば宮史郎やバーブ佐竹が女心を演歌やムード歌謡で切々と訴えているような(すみません喩えが古くて)ののイタリア版です。しかしこれは一度ちゃんと女声で歌われているのを聴いてみたいものですなあ。
ヴェルディの濃厚なオペラアリアみたいな美しくも雄弁なメロディなので、愛情の吐露としても非常に激しいものになりました。詞もとても激しいです。
とは言いながらも実はこの人結構ウブなお嬢さんのようです。言うことは大胆だけど行動には移せないみたいな感じでしょうか。年の頃なら14・15歳のミドルティーンの雰囲気なので、女声でもですからリッチャレルリとかフレーニみたいなリリカルな人の歌が少なくとも歌詞の内容とはマッチングしそうです。まあオッサンの歌う乙女の熱烈な恋の歌っていうのもこれはこれで面白いんではありますが。

作曲者のガスタルドンはプッチーニやレオンカヴァルロと同世代のオペラ作曲家ですが、現在良く知られて歌われているのはこの曲のみのようです。イタリアのカンツォーネをテノール歌手が歌っている録音には大抵収録されていますので探すのは容易かと思います。まあ良かったらこの歌詞を見ながらギャップに酔いしれてみてください。
(2007.05.05)

更新情報のブログの方でご指摘を頂きましたが、確かに第2節のところ「Vorrei」で始まる部分は窓の下を通る男の子の歌う台詞ですので、今まで掲載したような女の子のしゃべりにすると変ですね。6年以上も大嘘を掲載し続けておりましたがこのたび修正してアップしなおしました。
今まで大変申し訳ありませんでした。またご指摘頂いた方 たいへんありがとうございます。

( 2013.08.11 藤井宏行 )


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